金曜日, 8月 12, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (エルドアンのトルコ、大転換を開始した)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016) 8月13日(土曜日)
         通算第4991号   
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 エルドアンのトルコ、大転換を開始した
  アサド政権を容認、IS空爆は黙認、そしてイスラエルと間もなく復交
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 8月9日のトルコ、ロシア首脳会談以後、トルコの変貌ぶりは驚くばかりである。
 米国駐在だったトルコのNATO代表はムハマド・ゼキ将軍。クーデタ失敗直後から姿を隠し、米国亡命を希望しているという。
 ギリシア駐在武官の軍高官ふたりは家族もろともカーフェリーでイタリアへ逃亡したことが判明した。

米国亡命中のギュラン師を送還するようトルコがオバマ政権に要求しているのに対して、米国は人道上の理由から「クーデタ首謀者という証拠が稀薄である」として送還に応じていない。
 EU諸国はトルコが死刑復活を計画していることを極度に警戒し、エルドアン批判に転じている。EU加盟国の条件のひとつは死刑廃止である。

 またトルコ議会は月末までにイスラエルとの復興を承認する手はずで、ちかくトルコ外務大臣がエルサレムへ向かう。両国は2011年、ガザ暴動で巻き添えとなったトルコ人十名の死亡事件以来、大使を召還し、外交的に絶好状態にあった。

 そしてトルコはロシアの勧告に従ってシリアのアサド政権を黙認し、ロシアのIS空爆を容認する構え、これはトルコ外交の大転換以外の何ものでもない。アサド政権打倒を叫び、多くのIS志願兵のトルコ経由シリア入りを黙認してきた基本方針ががらり変更するわけだ。
従来、トルコはISの石油密輸を手助けし、あるいはIS要員がトルコ経由でシリア領内に潜入するルートを根絶せず、西側との協調を装いながら、独自の軍事行動を取ってきたのだから。

 そして極めつけがある。
ロシアにとっては「トルコがNATOから脱退する」ことが本音の希望である、ロシアのメディアが一斉にトルコ、NATO離脱かという観測記事を連続して掲載し始めている。「NATOはトルコを失うだろう。それはひとえにNATO同盟のミステイクから起きるのだ」(英文プラウダ、8月11日)。

 非合法に政権を掌握しようとした軍事クーデタは「法治の原理に背く」として西側はトルコの民主主義を称賛したが、その後の反対派への弾圧に対しては一斉にエルドアン批判を展開してきた。
 軍人、警官、教職人、公務員およそ76000名のパージは「民主主義の手続きを踏んではいない」として非難してきた。

 すっかりつむじを曲げたエルドアンが、これみよがしにロシアとの蜜月を演出するのは、外交的牽制であり、またNATO諸国への外交カードでもある。

 だが最初は小さな歯車の狂いも、修正が遅くなればなるほどに修正不可能となる。エルドアンの暴走を西側は放置するのか。
 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号投書欄ですが、最近、日本共産党は「暴力革命を放棄していない」「その本質は変わらない」式の標題の批判を散見する。小生はそれらを読んでいないのだが(いずれ読むつもりではある)、日本共産党に暴力革命をやる意志も力もない、つまり、かなり的外れの批判なのではないか、と予想している。
そもそも彼らには、暴力的にせよ平和的にせよ革命的精神や気力はとっくに失せている。たんなる臆病者・反日主義もしくはそれへの追随者とみるべきなのだ。
貴誌第4990号(読者の声2)多田彰矢氏の論考は、小生の考え方を裏付けてくれるものであり、一服の清涼剤であった。多田様、ありがとう。
(等々力孝一)



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(読者の声2)評判となっている「帰ってきたヒトラー」(河出文庫、上下巻)をお読みになったのでしたら、どういう感想をお持ちでしょうか? ドイツでは130万部も売れて、映画化されたとか。
   (JK生、静岡)


(宮崎正弘のコメント)原作を読んではおりませんが、映画は見ました。或る討論番組で関岡英之氏がさかんに薦めるものですから、耳にしてから弐ヶ月、ようやく時間がでてき封切館へ足を運びました。
映画「帰ってきたヒトラー」は或る意味で画期的な傑作でした。溢れる諧謔。現代ドイツ批判の皮肉をたっぷり染みこませた政治映画、一種のコメディでもある。
 ヒトラーが自殺したことになっている地下壕跡地で70年余の眠りからさめたヒトラーは、町を歩く。少年達は「このおじさん誰」と誰も知らない。すれ違う人々はニヒルな笑い、薄気味悪い冷笑に囲まれながらスタバの画一的珈琲に文句を言わない庶民、臭うといわれた軍服を洗濯に出した先はベールを被ったイスラム女性。アーリア人の優秀さを説く者はひとりもいない。
 そっくりさんがいると知ったテレビ局のプロヂューサは、番組作りを思い浮かべ、テレビ番組のロケでドイツ全土を駆けめぐり、そしてヒトラーは文明が発達したが文化的に荒廃したドイツの現状を知るのです。ドイツはなんという国に成り下がったのか、ヒトラーは各地で演説して歩くのだが、みなはコメディ番組の隠し撮りと誤解し、記念写真をとったり。「政治を掌握するのは活発なデブ女(メルケル)」、野党(民主社会党)はてんでだらしなく、保守をなのるいくつかのミニ政党を回って議論するが、まったくヒトラーの『我が党争』も読んでおらず(そもそもドイツでは禁書だから読めないのだが)、そこに政治の偽物を嗅ぎつける。「国土と環境を守れ」と言う「緑の党」にヒトラーはむしろ親しみを感じる。
 このヒトラーを襲撃するのがネオナチの若者達というのも皮肉である。
テレビに出演し「そっくりさん」をやらされるのだが、内容は正論であり、そのスピーチは堂々としており、「民主政治のもとで、私は撰ばれた。私に責任があるというのなら、私を撰んだ人たちはどうなるのか。自分たちの責任はどうなるのか」と説くと、誰一人答えられず、口でぶつぶつと不満を吐き捨てるだけ。
「テレビは料理番組しかやっておらず、この国はいったいどうなったんだ」という主張には、多くのドイツ国民は反論できない。
なぜなら民族差別ととられる発言は出来ず、トルコ人の批判は封じ籠められ、移民の暴力に無力となった。どちらがおかしいのか。ユダヤ人問題は完全にタブーである。
 番組で人気が沸騰し、ユーチューブは数百万が見た。誰もが不快感を抱かず、コメディアンの慧眼な批判を笑い飛ばすのだが、さてヒトラーは本物と見破ったのが、テレビ局の有能な秘書の祖母であった。
これを暗示する伏線が秘書のソファ脇の書棚にハヌカの置物が置かれていたことで、筆者はこの場面をみたときに、「あ、このユダヤ人家庭が土壇場で何かやるな」と推測して後半を見ていたが、やはりそうだった。
 それにしても全体主義が民主主義の隣に横たわっているという欧州の政治、誰も北朝鮮や中国の、ベトナムやラオスの、そしてスーダンやジンバブエの毒性政治を嗤えないのではないのか、と思いました。



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(読者の声3)米国務省の「信教の自由に関する年次報告書」が出ました。
 米国務省は8月10日、信教の自由に関する報告書を発表しました。同報告書は、世界約200カ国の信教の自由について包括的に調査する年次報告書です。国ごとの報告や報告書全文は、以下のサイトからご覧になれます。 
 ブリンケン国務副長官の声明 
http://www.state.gov/s/d/2016d/260953.htm
2015年信教に関する報告書 
http://www.state.gov/j/drl/rls/irf/religiousfreedom/index.htm#wrapper
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<宮崎正弘の対談、鼎談シリーズ> 
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宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
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宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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(休刊のお知らせ)小誌は8月17日―19日が休刊となります
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  宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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