火曜日, 3月 31, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み(中国のアジアインフラ投資銀行への大いなる疑問)

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★小誌は通巻4500号記念特大号
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015) 3月30日(月曜日)
通巻第4500号(小誌4500号記念特大号) 
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 中国のアジアインフラ投資銀行への大いなる疑問
  本当の中国の狙いを誤解していないか
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 日本の国際情勢分析や論調はいつもおかしいが、今回の中国共産党主導の「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に参加表明しない日本は選択を間違えているという、恐ろしくも正反対の議論が突出しており、ばかばかしいにも程があるという感想を抱く。そのまとめとして本稿を書く。

 第一に、中国が目ざす「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)なるものは「国際金融機関」ではなく中国共産党の世界戦略にもとづく「政治工作機関」であるという本質をまったく見ようともしない不思議である。

 第二に、あわよくば米国主導のブレトンウッズ体制(つまり世界銀行・IMF体制)に変わる中国主導の金融秩序構築を模索するものであること。すなわちドル基軸体制に真っ向から挑戦し、人民元基軸体制をアジアに構築しようという壮大な野心から生まれた、きわめて大風呂敷の構想であることである。

 第三に、この銀行を設立することは中国経済のひずみを解決するための出口でもあることだ。
すなわち余剰生産の鉄鋼、セメント、建材、石油副産物などの国内在庫を一斉するための吐き出し機関ともなりうるし、失業対策になやむ中国が諸外国にプロジェクトを持ちかけ、それをファイナンスすることによって大量の中国人失業者を海外へ送り出せるメリットがある。
 この点を吟味する分析が日本ではあまりにも少ない。


 ▼外貨準備世界一のトリック

世界中が幻惑されたのは、中国の外貨準備が世界一という数字のトリックだった。
中国の外貨準備は3兆4830億ドル(14年末)とされるが、ちょっと待った。CIA系シンクタンクの調査ではすでに「不正に外国へ持ち出された外貨」が3兆7800億ドルである。
つまり表向き、あることになっている「外貨準備」、じつは底をついているのである。その証拠に中国は米国債の保有額を減らしている。日本がまもなく世界一の座を復活させるだろう(15年一月末で日中間の差は50億ドルしかない)。

また中国の国家ファンドが保有した筈の日本株式はすでに売り払っているうえ、じつは中国は猛烈に海外から外貨を借りまくっている。外貨準備増加額より外国金融機関からの借り入れ額が上回っている。
こうして不都合なデータを中国は巧妙に伏せていることに特大の注意が必要である。

 ところが、日欧のメディアはアジアインフラ投資銀行に対して過剰な評価をし始めた。
IMFのラガルデ専務理事もADBの中尾武彦相殺も「協力できる可能性はあるかもしれない」などと発言のニュアンスが対立型から様変わり、日本の麻生財務相は「入らないと言っているわけではない」と融資条件や運用方法の透明性を問題視した。

 そう、「透明性」が最大の問題で、理事会に日欧が入り込む隙間のない独裁となるだろうから、融資条件の開示させない段階で加盟するなどというのは政治的発言か何か別の思惑があり、日欧の発言をよくよく吟味すれば「加盟しない」と発言しているのである。

 中国経済分析で世界的に有名なエリザベス・エコノミー女史は「はじめからお手並み拝見で、AIIBはAIIBと割り切って放置すれば良かった。米国の反対声明がかえって、中国の銀行設置に力を与えた」と皮肉る。

 もとより「アジアインフラ投資銀行」に英独仏伊が参加表明したため、豪、デンマークなど合計41ヶ国が参加することとなった(3月30日現在)。

英紙「フィナンシャルタイムズ」は、米国オバマ政権に「失望」が広がっていると報道し(3月19日)、対照的に中国語の媒体は「英国の決断」などとし、同行に加わらない日米に冷淡な分析をしている。中国としては政治的得点になる。

だから日本のマスコミはますまるおかしな論調となる。
たとえば日本のイエローパーパー『日刊ゲンダイ』が、日本の立場を徹底的に批判し、中国主導のアジアインフラ投資銀行に参加表明したドイツ、フランス、イタリア、そして英国に先を越され、日本政府が無能ぶりを天下に曝したと報じたことが、中国メディアは嬉しくて仕方がないらしい。同紙が『日本の完敗』と書いたことがよほど気に召したらしいのだ。


▼英国のホントの参加理由はシティ・ルールが守られるのか、どうかだ

もうすこし状況を把握してみよう。
英国の思惑は次の三点に集中している。
第一はMI6をいう情報機関をほこる英国にはそれなりのインテリジェンス戦略から発想される政治的計算がある。
英国にとってAIIBに加盟を表明しないことには情報が得られない。その高度の情報を同盟国である米国に提供できる。

そもそも世界金融を差配しているのはウォール街である。そのウォール街の論理はグローバリズムであり、そのルールを決めているのは英国のシティである。
英米がシティ・ルールを破壊するような行為に中国がでれば、いつまでも協力的態度をつづけるか、どうか。

第二に加盟国となれば、AIIBの規則や条件に英国が(独仏伊豪も)注文や条件を付けられる。つまりシティのルールを尊重してくれるのか、どうか。欧米が警戒するニカラグア運河への投資なども、中国の貯湯妄信的融資には激しく反対することになるだろう。

第三が「ウィンブルトン方式」である。
英国はすでに二年前からシティにおける人民元取引をみとめ、同時に中国国債も取引されている。おなじくフランクフルト市場でも。これは「ウィンブルトン方式」と言われ、市場関係者からみれば「貸し会場ビジネス」である。つまり有名なテニスの世界大会を開催し、たとえイギリス選手の活躍がなくとも、集まってくる人々(外国籍の)が落とすカネが魅力であるという意味である。

こうした文脈からいえば英国のアジアインフラ投資銀行に参加表明も、そこにシティとしてのビジネス拡大の可能性を見たからであり、対米非協力への傾斜という政治的思惑は薄い。

ならば独仏など「ユーロ」加盟国の反応はどうか。
ユーロを主導するドイツは、これが人民元市場ではないことを見抜いた。
イタリアとフランスの参加表明はユーロが米ドルよりも強くなれば良いという斜に構えた動機であり、また加盟すれば幾ばくかの情報が取れるという打算に基づく政治的行動だろう。


▼アジアの資金渇望を中国は巧みに衝いた

さて米国は嘗て宮沢政権のおりに、日本が設立を目指したAMF(アジア通貨基金)を構想の段階で横合いから強引に潰したように、中国主導のドル基軸に挑戦するような国際機関の動きには警戒している。

基本的動機は戦後の世界経済を牛耳るブレトンウッズ体制(つまり世界銀行・IMF体制)に中国が挑戦してきたと認識が強かったからである。しかし米国は中国の動きを牽制したが、潰そうとはしなかった。それだけ日本は押さえ込める自信があっても、中国を制御する政治力は、もはや米国にはないということでもある。

繰り返すが中国がアジアインフラ投資銀行を設立する思惑は(1)人民元の拡大と(2)アジアにおける人民元の覇権、(3)中国主導のアジア経済訂正の確立という、金融帝国主義であり、南シナ海での侵略行為によって四面楚歌となった政治状況を、カネを武器に主導権の回復を狙うものである。

インフラ整備の資金調達になやむアセアン諸国ならびにインド経済圏は喉から手が出るほど欲しい資金を中国が供与してくれるのなら政治的行動は抑える。露骨なのはカンボジア、ラオス、タイ、インドネシアなどだ。つまり反中国でまとまりつつあったアセアンの団結への動きを、中国はみごとに攪乱しているのだ。

だが裏側はどうか。
この新銀行は貸し付け条件も金利の策定方法も、審査方法もまったく白紙の状態であり、基本的に銀行のガバナンスを知らない国が国際銀行業務をスムースに展開できるのか、どうかが疑問視されている。

つまり日本が経済制裁をしている北朝鮮への融資を中国が勝手に決めた場合などが早くも想定され、強く懸念される。

アジア諸国の港湾浚渫など整備プロジェクトや鉄道輸送に力点をおいた融資を行うだろうが、それはアジアにおける中国の軍事戦略「真珠の首飾り」を実行するための経済面からの補完手段である。港湾を中国は将来の原潜や空母寄港地として利用する魂胆も見え透いていないか。


▼アジアインフラ投資銀行に参加表明しないのが得策だ

AIIBにはいくつかの致命的欠陥がある。
第一に人民元の拡大を狙う同行の資本金が米ドル建てという不条理に対して納得できる説明はない。
くわえて同行の本店ビルは北京で建設が始まったばかりで、どう最速に見積もっても2017年度ごろに完成である。

第二に資本金振り込みにも至っておらず、拙速の開業があっても2016年、そのころに中国の外貨準備が潤沢のママであろうか?

第三に中国の外貨準備が激しい勢いで減速しており、いずれ資本金振り込みさえ怪しい雲行きとなりそうなことに誰も懸念を表明しないことは面妖というほかはない。

いずれアジアインフラ投資銀行は空中分解か、最初の貸し付けが焦げ付き、増資を繰り返しながらの低空飛行となるだろう。日本は歯牙にもかける必要がないのである。

そして設立まではやくも不協和音が鳴っている。
ロシアは参加表明をしない方向で検討していた事実が浮かんだのである(多維新聞網、3月26日)。

ロシアのセルゲイ・ストルチャク財務副大臣は「ロシアは過去一貫して米国の金融支配に反対し、新しい国際機関の設立を呼びかけてきたので、AIIBの主旨には賛同する。しかしながら、この新組織にロシアが加盟するかどうかは未定である」と記者会見した。

第一に中国主導の度合いは拒否権に象徴されるが、ロシアが中国の風下に立つ積もりはない。

第二に英独仏など西側が加盟すると、ウクライナ問題でロシア制裁中のかれらが、ロシアの要望する融資案件には反対にまわるに違いない。ロシアは原油価格暴落以後、多くのプロジェクトが足踏み状態にあり、資金重要が強いが、逆に英独仏が対ロ融資に反対すれば、ロシアが加盟する意味がない。

第三に大国の政治力は単に金融力でははかれず、ロシアは軍事大国であり、その矜持がある。ロシアと中国の絆は軍事、政治的結びつきが強く、金融面での協力関係はそれほど重要とは言えない。

とはいうもののロシアは現在14の飛行場を建設中のほか、160キロの地下鉄、ハイウェイなど160件のプロジェクトを推進もしくは計画中で、2000億米ドルが必要と見つもられている。

さらにややこしい問題はロシアが一方で期待する「BRICS銀行」にしてもブラジル、インドより、ロシアのGDP成長は遅れており、そもそもロシアとブラジルは原資負担にも追いつけない状況となってしまった。
BRICS銀行も設立そのものが危ぶまれ始めている。
 
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桜チャンネルからお知らせ 桜チャンネルからお知らせ 桜チャンネルからお知らせ
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番組名:闘論!倒論!討論!2015
テーマ: 「中東・アジア・欧州から見える米国の本音」
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放送予定日:4月4日(土曜日)20:00~23:00
日本文化チャンネル桜(スカパー!528チャンネル)
インターネット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/)
「YouTube」「ニコニコチャンネル」オフィシャルサイト

(パネリスト:50音順敬称略)
加瀬英明(外交評論家)、関岡英之(ノンフィクション作家)、高山正之(ジャーナリスト)
馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)、美根慶樹(元日朝国交正常化交渉日本政府代表、平和外交研究所代表)、宮崎正弘(作家・評論家)、渡邉哲也(経済評論家) 

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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム   樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1221回】               
   ――「最モ困却セシ者ハ便所ニテアリシ」(曾根2-2)
曾根俊虎『清國漫遊誌』(績文舎 明治十六年)
 
   ▽
 アヘン戦争に敗北し大英帝国から南京条約締結を逼られた1842年以後に辿った道を振り返るなら、清国は西欧列強の軍事力を前にして屈辱的な条約を次々に受け入れざるをえなかった。いわば半植民地・半封建への道をまっしぐらであり、その先には亡国の2文字がチラついていた。であればこそ、当時の清国を「現今亜州」で「獨立國ト呼ハル」ことなどできはしないはず。ましてや日清両国が「同文同種唇齒ノ國」の関係を持つ「兄弟」であろうわけがない。21世紀の初頭の現在に至っても、いや未来永劫にわたって、両国は「同文同種唇齒ノ國」ではない。これだけは断言できる。
 
 曾根の旅とはやや逸れるが近現代の歴史を思い起こすと、日本人は中国人から3度にわたって“言葉の魔法”を掛けられ、金縛りに遇ってしまったと思う。最初が「同文同種唇齒ノ國」であり、次が日本敗戦時の?介石による「怨みに報いるに徳を持ってす」であり、3度目が毛沢東の「日本人民も中国人民も同じく日本軍国主義者の被害者だ」である。
 
どだい国家と国家が「同文同種唇齒ノ國」の関係にあるわけはなく、時と場合によって友好関係を保持することもあれば、同盟を結ぶこともあり、時には戦争に立ち至ることだってある。それは古今東西の歴史が厳然と教えているではないか。
 
「同文同種唇齒ノ國」などという常套句は、彼らが自らの立場を有利に導くための方便にすぎない。にもかかわらず明治初期の段階で、すでに日本の一部が「同文同種唇齒ノ國」などという“疑似餌”に食らいついていたわけだ。?介石は主に共産党との内戦を有利に展開するため、あの台詞を口ずさんだ。にもかかわらず、我が国朝野の一部が“日本の窮状を慮った温情”と思い込んでしまう。なんともお人好しの限りだが、その種の思い込みこそ、?介石たちが逃げ込み、「中華民国=自由中国」などと僭称するようになって以後の台湾への対応を誤らせたことはいうまでもない。
 
さて毛沢東の台詞だが、その狙いは日本の国論を分裂させよ。日本人に日本の歴史を蔑視させよ。日本人に過去の指導者を断罪させよ。日本人の心に徹底して贖罪意識を植え付けよ――である。毛沢東独特の詐術に引っかかってしまった我が心優しき市民派や心情反戦派、さらに人道主義者は、日中戦争の発端から終結までの全過程の責任を軍国主義者になすりつけることで“免罪符”を得たと思い込まされた。かくて日本人の前で“空前の有徳の指導者”として振舞う毛沢東によって、日本と日本人は翻弄されることとなった。
 中国側からする一連の洗脳工作については、いずれ機会を改めることとし、本題に戻る。
 曾根の主張からして、どうやら当時、すでに日本と清国(=中国)は「兄弟」であり、「歐米ノ凌辱」を跳ね返すためには、「一家ノ爭鬪ヲ釀成スル」ことなく、「家庭ニ葛藤アルモ豈ニ平穏ニ之ヲ治スルノ良法ヲ求メザルベケンヤ」という考えがあったことが判る。
2つの国家の関係を「兄弟」やら「一家」と見做すこと自体に極めて強烈な違和感を覚えるが、利害関係が異なる両国の緊張した間柄を、「家庭ニ葛藤」と捉え、さらには話し合いで平穏に収めるべきだなどと、いったい、何を根拠に、こんな世迷い事を口にできるのか。やはり曾根の神経を疑わざるを得ない。
 
曾根は続けて、「余ハ是レ漫遊ノ一書生又囁々スルヲ要ス可キニ非ザレハ」と“泣き言”を記しているが、やはり曾根の考えは当時の政府要路に受け入れられず、それゆえに曾根は自らを「漫遊ノ一書生」などと拗ねてみせたのだろう。
 
 一連の曾根の記述から、当時すでに日本で清国(=中国)に関心を持つ人々のなかに、日清のどちらが「兄」で「弟」なのかは不明だが、「兄弟」が力を合わせることで「歐米ノ凌辱」を撥ね退けようという考えがあったと判断しても強ち間違いはないだろう。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)我が国の領土問題で等閑視されておりますが、樺太は現下の我が国を取り巻く国際情勢上も重要です。
 クリミア併合で気勢を挙げる露国、いずれは樺太の事例を唱えるや、我が国の消極外交~大?鳩山によるポッポ外交と仮称~がもたらした惨禍と相なりましょう。あわせて小鳩山によるポッポ外交もまた東亜の惨禍を招いている訳で、外交研究上は重大な教訓を与えております。
 さて、樺太返還運動も終局を迎えるのでしょうか。
戦前は邦人40萬、唱歌である蛍の光でも歌われた国土、世論を喚起する運動もさながら、国土への侵攻を防ぎ奪還する気概と国力の充実が求められますが、海自艦艇いずも就航が光明となれば何よりなのですが。いずも艦上よりオスプレイにて大挙国土奪還する壮挙が眼に浮かびます。
そのためには憲法改正です。「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(櫻井よしこ、田久保忠衛、三好達共同代表)によれば、改憲の早期実現を求める地方議会決議運動が推進されており、既に二十六府県、三十六市区町村でかかる決議が実現している、とのこと。
戦後の 憲法下ということに加え、クリミア併合を露国自らによる国際信頼放棄として樺太に関する我が国としての国是を正すべき好機と存じます。竹島や尖閣と異なり、世論喚起の基盤たる管轄自治体が存在しておらぬ樺太、国民的世論の形成は、国際平和と国益に資しております。

蛇足ながら、樺太返還運動の本丸の一つでもある全樺連の会長は民主党の方とか。解散を唱うのも理解されることに世の無常を感得するばかりです。
<参考>
全国樺太連盟、10年以内に解散検討 会員減少、高齢化で-【北海道新聞 平成23年1月6日版】【稚内】戦後の樺太引き揚げ者らが会員で、生活支援などを行ってきた社団法人全国樺太連盟(事務局・東京、西本美嗣(よしつぐ)会長)が、今後10年以内に解散する方向で検討している。1949年の設立から60年以上が過ぎて歴史的使命を果たしつつあり、会員減少や高齢化も進んだためという。 2010年12月時点の会員数は2650人(道内1152人)。最多だった1996年の6360人の4割に減った。引き揚げ者の家族も加入できるが、近年は加入を希望しない2世、3世が増加。会員の平均年齢も80・1歳になった。
   (熊本護国生)



  ♪
(読者の声2)宮?さんが出演した3月20日放送の「マット安川のずばり勝負」を聴かせていただきました。あの中で孫崎元駐イラン大使について「(外務省)主流へのルサンチマン(遺恨)」と指摘されていましたが、全くその通りです。
天木元駐レバノン大使などもその類いでしょう。しかし同省主流の英米派も彼ら以上に罪が深いと思います。
第1に日米開戦に当たっての宣戦布告の手交の遅れ。これにより日本は「スニークアタック(奇襲)」の汚名を着せられた。しかも誰1人として責任を取らず、戦後、事務次官や駐米大使などとして出世した。
第2に広島、長崎への原爆投下、東京大空襲などの明確な国際法違反について米国に1度も抗議しなかった。
第3に南京大虐殺や従軍慰安婦などありもしないことに対する抗議を行わなかったため、日本への国際批判の定着を招いたーなど。
外務省の不作為は万死に値すると思います。
(加藤清隆)



  ♪
(読者の声3)いつもメルマガを楽しみにしております。ところで、現実離れした質問をさせていただきます。
わたしはオカルティストで「あの世」を信じるものですが、先日のルフトハンザのLCCジャーマンウイングの事故で、精神病のcopilotが(たぶん、発作的に)考えられないことをしました。
ドイツといえばヒトラーは第一次大戦中の伝令(伍長)時代に「霊の声」をきいて夕食の場から離れて流れ弾を逃れたといいます。
宮崎先生もラジオ放送で、25年前にアウシュビッツに行こうとしたが、何かを感じて行くのは中止したと話されていました。ドイツという土地は魔女、ルターなど因縁めいた霊魂が多い土地柄なのでしょうか。
日本のカミのような存在がキリスト教改宗で埋もれ、西洋中世の影の部分が多いいわく因縁の国柄なのでしょうか? また現在のEURO圏は第四帝国の復活とみるのは間違いでしょうか?
(R生、ハノイ)


(宮?正弘のコメント)ドイツ在住の川口マーン惠美さんと、小生は対談集を出しておりますが、彼女もドイツならびに周辺国で、そのような不思議な体験をしたことを綴っています。西欧はつい先日まで宗教戦争、魔女狩りがあり、いまだってユーロにトルコを加えないように、あるいはカソリックのポーランドは自らユーロに加わらないように、ご指摘のような歴史意識が作用しているのは確実でしょう。
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西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信
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「戦後」だと思っておればいつの間にか「戦前」である
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現在、安倍晋三総理大臣の「戦後七十年談話」を作成するにあたって、政府に「有識者懇談会」が発足し、 時折、その「懇談内容」が漏れ伝えられて報道されるようになった。 
 この情報のリークは、いつもながらの情報操作の一環である。このようにして、これを繰り返して、外務省や官邸の事前に想定している結論に「国民の知らない無視できないアメリカをはじめとする国際社会の圧力の中で、けなげにもその圧力を真剣に良心的に受けとめながら、紆余曲折の末に、人知を絞り尽くして辿り着いた」と、いう涙ぐましい努力のシナリオが実現されていく。
そして、喉元過ぎたあとは忘れる。総理大臣はもちろん、誰も責任をとらない。これが、「戦後七十年総理大臣談話」に限らず、政府による「有識者懇談会」というものである。

さて、「戦後」とは何時からか、と言えば、 昭和二十年(一九四五年)九月二日(降伏文書調印)からであろう。
「戦後」の起点が昭和二十年ならば、 ここから七十年前は明治八年(一八七五年)で、西南の役勃発の二年前である。この年、千島樺太交換条約がロシアと結ばれ、武士階級はまだ刀を腰に差して歩いており廃刀令はでていない。
現在、昭和二十年を起点にすれば、明治八年以前の遙か昔のことに関して「総理大臣談話」を出そうとしているのだ。では何故、平成二十七年の総理大臣は、これほどの年数の隔たりのある昭和二十年以前のことを取り上げなければならない現在政治上の必要性に迫られているのか。このことを極めて不自然で奇妙なことだと思わずに、大真面目にしようとしているということ自体が、「日本を覆う戦後という枠組み」(思想的・政治的・体制的な手かせ足かせ)が七十年間も続いていることを示すことなのだと思う。
つまり、我々、日本と日本人は、七十年間も「戦後という安楽な家(牢獄)」のなかで生活することを強いられてきた。
従って、このままでは、七十年経っても「戦後」であり、百年経っても百五十年経っても「戦後」である。それ故、もし、中共が、また韓国が、存在していたらの話であるがこれから十年、また二十年、そして三十年経てば、「戦後八十年談話」、「九十年談話」そして「百年談話」を出す羽目になろう。

そこで「戦後体制からの脱却」また「日本を取り戻す」と言って総選挙を経て総理大臣の地位に就いた安倍晋三総理に申す。
戦後七十年談話を出すと言ってしまった以上、出さねば嘘をついたことになるから出されよ。そしてその主要な内容は、総理大臣の権限と責任において、次の如き宣言とすべきである。「現在は、もはや戦後ではない、既に戦前である。よって、我が国は戦後の枠組みから脱却する」
これ、「有識者懇談会」の主要議題とはまったく次元が異なる。しかし安楽な「戦後」はもうないのであるから我が国家の存亡に最大最深の政治的責任を有する総理大臣は「懇談会」(つまり外務省の役人)に拘束されては責務を果たせない。
しかも我が国を何時までも「戦後体制という枠組」のなかに閉じこめておくために我が国の総理大臣が「戦後七十年謝罪談話」を発出するように誘導し圧力をかけている中華人民共和国自体が既に「戦後」ではなく、着々と「戦前」を実践しつつあるのだから、安倍総理は長州人らしく、同じく長州人の吉田松陰先生の言われた「狂を発し」、「我が日本は、『戦後体制』の桎梏から脱却し、祖国の存立を確保し民族の名誉を守る」と宣言すべきである。

では、「戦前」とは何か。
昭和十四年(一九三九年)一月、日華事変収拾に失敗した近衛内閣総辞職の後に発足した平沼騏一郎内閣は、ソビエトとのソ満国境における大規模武力衝突であるノモンハン事件に遭遇するなかで、ドイツとの軍事同盟締結の交渉を進める。
しかし八月二十三日、ドイツとソビエトは、モロトフ・リッペントロップ協定、つまり独ソ不可侵条約を締結する。即ち、味方だと思っていたドイツが交戦中の敵と不可侵条約を結ぶのである。そこで平沼騏一郎総理は、「欧州の天地は複雑怪奇」という声明を発して総辞職する。
この「複雑怪奇」のなかからナチスドイツのポーランド侵攻即第二次世界大戦が勃発し、それは六年後に我が国に二発の原子爆弾を投下した後に終了する。「戦後」とは、この「複雑怪奇な天地」を「戦前」として生み出された。「戦前」とは平沼騏一郎総理が警告を発した通りの「複雑怪奇」なことを言う。
そして、この一年間で明確になったのは、欧州は再び「複雑怪奇」な天地、即ち「戦前」に戻ったということである。それを明確にしたのは、ロシアのプーチン大統領である。
彼は武力でクリミヤを併合しウクライナ東部を制圧した。そして、イギリスもフランスもドイツもアメリカもそれを止めることはできない。その結果、欧州では、ロシアのバルト三国への武力侵攻も予想し得る事態となった。つまり欧州の天地では、プーチンによって、武力によって国家の勢力圏が変更することが実証された。これが「戦前」に戻ったということである。
それでは、アジアの天地はどうか。事態を見つめれば、明らかであろう。アジアの天地も既に「戦前」である。中共はベトナム戦争の終結によってアメリカがベトナムから撤退した直後から南シナ海南西部へ さらにフィリピンのスービック基地からアメリカが撤退した直後からは南シナ海中央部へそれぞれ武力侵攻して勢力圏を武力で拡張している。

即ちアジアで次ぎにヨーロッパで、既に勢力圏を武力で拡大させる「戦前」が始まっている。アジアとヨーロッパが違うのは、アジアの中共は、夜盗や土匪のようにこっそりとやっていたのに対し、ヨーロッパでは、プーチンのロシアが、白昼、正々堂々としたことである。
以上のように、既に世界は、とりわけ我が国の存在する東アジアは、「戦前」なのだ。そして、この「戦前」を造りだした夜盗が我が国を「戦後」という牢獄にこの先も閉じこめ続けようとして総理大臣の謝罪決議を期待している。その目的は、戦後体制のままの我が国を、効率よく制圧し勢力圏を拡げることである。
よって、切に願い、何度でも言う。
安倍総理、「戦後」という枠内の「有識者懇談会」と外務省に囚われず、それらを放擲して政治家としての知性と本能に基づいて「戦後からの脱却宣言」という「戦後七十年総理大臣談話」を発出されたい。
  (にしむらしんご氏は前衆議院議員)
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宮崎正弘 vs 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
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保守論壇の新星=小川榮太郎氏と宮崎正弘の徹底討論が一冊にまとまりました
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宮崎正弘『中国崩壊で日本はこうなる』(大竹慎一氏との対談 1512円。徳間書店)
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宮崎正弘のロングセラー 
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『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
 『台湾烈々  世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円) 
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
 『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫、680円)
 『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円)

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<宮崎正弘の対談シリーズ>
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宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石 平『2015年 中国の真実―中国は習近平に潰される』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 遇『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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