木曜日, 4月 19, 2012

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成24(2012)年4月17日(火曜日)弐
          通巻第3626号   
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<速報>
 春の嵐か、竜巻か。永田町を揺らす「快挙」
  尖閣諸島を東京都が購入。地権者と話し合いが決着
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 訪米中の石原慎太郎都知事は「地権者との話し合いは最終段階。近く、尖閣諸島の殆どを東京都が購入する」と発言した。
 日本外交を揺らす快挙?

 政争に明け暮れる中国がどう出るか?
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◆BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ◇ブックレビュー ★
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野田将晴『教育者は、聖職者である』(高木書房)
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 教師がバカなら教わる子供らはバカ以下になる。戦後教育が完全に間違っていたことは逐一例証する必要はないだろうけれど、若い、まともな教師達も多少は存在する。日本の救いがある。
 この本の著者は並外れた人生航路を航海してきた。警察官あがりで、青年海外協力隊ではマレーシアへ逮捕術の講義にも出かけていく。柔道六段。その後、熊本県議を経て、有志国際高等学校の校長先生。
 この学校の基本方針は単純明快にして次の五つ。

 親孝行する青少年たれ
 志ある人間たれ
 誇りある日本人たれ
 役に立つ国民たれ
 尊敬される国際人たれ

 これが本物の日本人を育てる教育だ、と日夜、試行錯誤を重ねての苦労談の記録からみえてくるのは、こういう教育がもっと日本中に拡大していく希望の光である。
 現在の教員は自分の権利を主張し、なおかつストライキ権利を有し、ろくな教育の子供たちには施せず、(つまり施さず、ではなく「せず」というのは、その能力がないことを示す)。人間としての資格さえ欠乏している程度の人間が、人生の模範を生徒の前で示せる筈もなく、親が聞いたら卒倒するようなセックス教育をしている。
 教育現場の荒廃から目を背けるべきではない。
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  読者の声 READER‘S OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)「国防講演会 佐藤守元空将による国防論(主催:国防問題研究会、後援:三島由紀夫研究会)の御案内です。
       記
日時:  4月20日(金)18:30 (18:00開場)
会場:  中野サンプラザ8階研修室2
講師:  佐藤 守閣下(元航空自衛隊空将)
演題:  我が国を取り巻く2012年問題
会場費: 1,000円
講師プロフィール:昭和14年樺太生まれ、福岡県立修猷館高校卒、防大卒(第7期)、戦闘機
パイロットを経て空幕勤務、空自幹部学校教官、第三航空団(三沢)、第四航空団(松島)、南西航空混成団(沖縄)の司令など常にわが航空防衛の第一線で活躍された。空将。現在は軍事評論家として活躍中。『日本の空を誰が守るのか』(双葉社新書)など著書多数。
 どなたでも予約なしで参加できます。



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(読者の声2)前号「特攻精神」への感想です。
まず特攻の戦果ですが、対米戦では、撃沈30隻、撃破300隻以上、敵戦死者5千名、特攻戦死者6千名と覚えています。
次に作戦の効果ですが、終戦を遅らせたので、米国ルーズベルト大統領が死亡し、彼の対日滅亡政策が緩和されたと思います。米国内でさえ日系米人の強制収容所体制が取られていましたから、日本本土で何が起きたか分かりません。ルーズベルトはスターリンにべったりだったので、日本民族はソ連に送られていたかもしれません。良い事がなかったことは間違いない。
また米国政権内にソ連の対ドイツ、東欧占領政策を見て警戒心が生まれました。これもその後の日本占領政策に多少でもプラスの影響を与えたと思います。特攻の効果はありました。
日本の敗戦は最初から分かっていました。しかし負ける戦争でも戦うことが独立国の資格です。1939年ソ連の領土分割の恫喝に断固拒否して戦ったフィンランドがよい例です。

米国の対日暗号解読という問題があります。
1)真珠湾事件:米国は前年(40.9)から日本暗号を解読していたので、奇襲ではありませんでした。ただし浅海用航空魚雷を知らなかったので、爆撃に強い戦艦に大打撃を受けたのです。
2)暗号解読の発表:米国は1945年8月末に解読していた事実を米国内で発表しました。
3)米国は日本の外交暗号を解読していたので、日本が赤十字を仲介にするなどして終戦工作をしていることは分かっていました。だから日本占領のためという原爆投下の正当論は否定されます。

実際は、原爆はソ連に占領した満洲を約束通り蒋介石に渡させるための対ソ威嚇でした。
しかしスターリンには無効でした。スターリンは大統領選挙で支那満洲の地上戦を恐れる米国大統領府の内情をソ連スパイ、大統領特別補佐官のアルジャーヒスらから入手していました。
スターリンは満洲を占領すると違約して毛沢東に渡してしまいました。
日本の声望に関して言えば、過去、世界で日本人が一目置かれてきたのは大東亜戦争の奮戦ぶりです。スターリンは、1945年の蒋経国との会談で、蒋の「これで日本は2度と立ち上がることはないでしょう」という意見に対して、「いや日本は5年で立ち上がる。私が厳しく管理しても10年で立ち上がるだろう」と述べています。
その通りとなりました。

しかし今はどうでしょうか。国際社会で過去の日本の偉大さを知っていた世代が死に、戦後のだらしない日本しか知らない世代が増えています。
彼らは、阿呆を宰相とし、核ミサイル危機にも平然としている日本人は、ひょっとすると真正の馬鹿民族なのではないか、と思いだしたのではないでしょうか。危ない日本人。
日本試作戦闘機の名称論:「心神」と言うが何が命名の根拠なのだろうか。「心神耗弱」などどうも武器の名前とは言えない。むしろ「新紫電」とか、伝統的なよいものはないのか。現代の相撲のしこ名のようにこの命名のセンスに疑問がある。
(東海子)


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(読者の声3)中国ではいまだに人身売買が絶えませんが、養子として売られたことを知った少年がグレてしまい、鎖につながれている写真がありました。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=60428

少年の生れは四川省綿陽市、養父母は福建省南安市、11年前に売られてきてその後、養父母は離婚。戦前のシナや満洲では人買い・人売りは当たり前、中国残留孤児の中にも人身売買の犠牲者は多くいたことでしょう。
少年は可哀想ではありますが、地下工場で奴隷労働するわけでもなく 、腕や脚を切られ物乞いをさせられているわけでもない。人身売買の被害者としては恵まれたほうでしょう。
そんな少年のことでもニュースになるほど中国は豊かになったと思えばいいのか、人権意識が少しは身についてきたのか、なんとも判断しかねます。人権意識といえば自動車にはねられた少女を誰も助けようとせず、次々と轢かれ少女は死んでしまった、というニュースもありました。
下手に助けると犯人扱いのうえ治療費やら慰謝料やら請求される、いわゆる当たり屋が横行しているために誰も関わりたくない、そんな記事でした。
昔から池で溺れても助ける前にいくら金を出せるかを確認しないと助けようとしない国民性、瀕死の重傷でも金が払えなければ医者に見てもらうこともできないのが中国の現実。辛亥革命から100年やそこらではシナ人の国民性が変わることを期待するほうが無理なのでしょうね。
人さらいが横行するゆえ、小学校の登下校時には母親やアマさんが付きそうことが多い中国ですが、韓国や台湾でも行方不明者のポスターには子供が多かったように思います。
もしかすると、そのまま大陸に売り飛ばされているのかもしれませんね。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)子供の誘拐は米国でも頻発していますが、主因は誘拐ビジネスではなく、離婚後の両親が親権を争うためでしょう。日本人妻で、この米国の法律に泣かされている日本女性が何人もいます。
 中国では誘拐ははっきりとビジネス、香港不動産王、長江実業の李嘉誠の長男、新鴻海の郭三兄弟の長男がマフィアに誘拐され、天文学的な身代金を取られました。金持ちでない子供を誘拐するのは売春組織に売る、奴隷工場に売る、花嫁として売るなど、やはり末端の商売です。
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(1)「中国辺境地帯を行く」(『新潮45』5月号。18日発売)
(2)「薄き来失脚と中国政変の着地点」(『月刊日本』5月号、4月22日発売)
(3)「世界の食料を食い尽くす中国」(『SAPIO』、4月18日号、発売中)
(4)「台湾現地レポート 馬再選後、何が起きているか」(『エルネオス』4月号。発売中)
(5)「習近平は日本に何を要求してくるか」(『撃論プラス』、発売中)
(6)「太子党は分裂しているが利害は一致」(『共同ウィークリー』、4月9日号)
(7)「習近平訪米、チベット人が行く手を埋めた」(『治安フォーラム』五月号、近日発行)
(8)「近刊『習近平』(矢板明夫)を論ず」(『正論』六月号、5月1日発売)
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