木曜日, 3月 15, 2012

差出人: 有)宮崎正弘事務所 [メルマ!:00045206]
件名: 宮崎正弘の国際ニュース・早読み(中国湖南省武漢の新幹線工事現場での事故続報)
日時: 2012年3月14日 5:03:03 JST
中国新幹線地盤崩落 続報
  武漢近郊で7・2キロのレール軌道が豪雨で沈下、補修に一ヶ月以上
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 小誌3583号の速報に続いて事故の詳細が判明した。
 湖北省武漢から重慶へいたる新幹線区工事は、昨年7月の温州における脱線事故以来、全面点検のため、いったん工事は中断されていた。

 再開された武漢―宜昌新幹線工事が崩落事故にあった。
 第一報の鉄橋崩落事故ではなく、豪雨による軌道の沈下事故だったようだ。
現場は7・2キロに及び、建設担当の中国鉄道局湖北省鉄建局は「武漢から宜昌までの291キロの区間工事の湖南省現場で地盤の沈下があり、補修補強工事に一ヶ月がかかる」と記者会見した。

 中国のメディアは「豪雨で軌道沈下なら危なくて乗れない」「砕石工事を土盛りで手抜きしているのではないか」などの批判が集中している。
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◆BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ◇ブックレビュー ★
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 やっかいな隣人たちの真実の部分は、こういう歴史だった
   簡潔に中国史の闇を照射、じつに多民族の、非中国人の王朝が続いたのだ
 
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岡田英弘『読む年表 中国の歴史』(ワック)
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 岡田歴史学の精髄がコンパクトな一冊となって、或いはこれだけ読んでも、隣国・中国のややこしくみえた王朝変遷史の本質がたちどころに把握できる。
まったくの快著である。
 『中国』という国家は存在しなかった。存在したのは秦、漢、隋、唐、元、明そして清という異種族王朝の興亡であり、皇帝・眷族・傭兵・奴隷という単純な図式。
 そもそも科挙とは「中国におけるエスペラント語」(官語)をあやつる人々である、というのは評者(宮?)の総括だが、科挙の制度は、この中国版エスペラント語の達人を選ぶ試験であり、古今東西の古典に通じ、暗記する能力があった。
異種同士でも共通の会話が成立したのは、人口の言葉を合成し、それでコミュニケーションを展開しかなかったからだ。したがって中国語には語彙もすくなく、前置詞は僅か、助詞は不要、形容動詞がない。形容詞にしても微細は表現力が乏しく、もっと言えば情感を表す言語体系ではない。
だから恋愛小説は成り立たない
 しかし北京語が全国を支配した二十世紀に科挙制度は無用の長物となった。 

 日本人が抱いてきたロマンティックな印象や文明的先輩と誤解した中国への憧れも、岡田歴史学にかかるとたちどころに海の藻屑のごとく、意義が減退する。
 『三国志』のなかに、魏志倭人伝が挿入されているが、
「これは『三国志』の魏書(一般的に「魏志」と略される)第三十巻「鳥丸、鮮卑、東夷伝」第二部「東夷伝」に記されている東北アジアの七種族の最後に登場する『倭人』の部分」でしかない。
日本の歴史家らが、この部分だけを取り出して、邪馬台国の場所を探しているが、まったくナンセンスであると岡田先生の舌鋒は鋭い。
「韓半島の帯方郡から邪馬台国にいたる道筋と里程が明瞭にしるされているが、その通に計算すると、邪馬台国は台湾、あるいはグアム島あたりに位置する」。
執筆の意図は「邪馬台国を敵国・呉の背後でにらみをきかせる熱帯の大国にする」必要性があったのだ。人口さえ「卑弥呼が遠方の大国の君主だというフィクションをささえるためにでっちあげられたもの」でしかない。
魏志倭人伝はそういう政治的意図の書である。
隋も唐も鮮卑系であり、「その帝室は鮮卑系の王朝であった北魏、西魏、北周の鮮卑族と鮮卑化した集団のなかから産まれた。いずれの王朝も、北周の根拠地であった陝西省に本拠をおく一方、交通の要衝である洛陽盆地と華中の生産力の中心をむずぶ大運河によって南方、南方への勢力を維持した」のが仕掛け。
驚くべき史実を岡田先生はさりげなく次のように書かれる。
隋・唐時代の中国人はもはや二世紀の末に殆ど絶滅した秦、漢時代の中国人の子孫ではない。北方から移住した遊牧民、狩猟民の子孫がとってかわっている。だから現代の中国人も、じつはもともと非中国人たちの子孫なのだ」 
明の興亡についても、こうまとめられる。
「失業者だった李自成という漢人が反乱軍の指導者となって各地の盗賊団を傘下にいれ」やがて「北京に向かい、山西省の太原、大同、宣府を」落とした。こうして「二百七十六年前に乞食坊主の朱元章が皇帝にのぼりつめて建国した明朝は、おなじ盗賊団に追い詰められて勝手に滅びた」
混乱をみて山海関を開き、満州軍を招きよせたのが呉三桂、呉は中国人にとっての裏切りの代名詞だが、機を見るに敏な、その辺にゴロゴロといる漢人のひとりにすぎない。この呉・満州連合軍に大敗した李自成は「紫禁城の宮殿であわてて即位して皇帝をなのっておいてから宮殿に火を放ち、椋奪した金銀を荷車に満載して北京を脱出」した。
李自成は「湖北の山中に逃げ込んで盗賊団の首領に逆もどりしたあげく、農民の自警団に殺された」。
こうして明は滅びた。
 かくて中国史を美化してきた戦後のシナ学の人々が真っ青になる内容、目から鱗が落ちる連続。中学生以上の子供の副読本として一家に一冊、常備薬のように。
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 読者の声 READER‘S OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)先日、こう書きました。「ただいま、午後7時のNHKニュースを見ていた折、なでしこジャパンとアメリカの試合を放送しているのをたまたま見ました。国同士の試合です。ともに国歌を歌います。しかしNHKニュースではアメリカ選手が国歌を歌う場面はあっても、日本選手が国歌を歌う場面は放送しませんでした。公共放送を自認するからには言語道断です! さっそく抗議しました。どういう理由なのか、返事をするように強く抗議しました。どのような返事が来るか楽しみです。」
 このように3月6日の夜にNHKに抗議しました。
その返事は翌日でした。
抗議文に対しては定型文があるようで、無味乾燥なものです。しかし重要な文言がありました。
「NHKでは、放送にあたっては国内番組基準を設け、この中で、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保し、豊かで、よい放送を行うことを明記しています。この基準に基づいて、報道の担当責任者が具体的な対応を判断してニュースおよびニュース番組を制作しています。」
です。
「全国民の基盤に立つ公共放送」ですよね?
それで私はもう少し内容のあることがを聞きたいとメールしました。
その返事がこうです。
「お問い合わせの件について、あらためてご連絡いたします。日本時間の3月6日(火)、世界ランキング3位の日本は、 世界ランキング1位のアメリカと対戦し、1対0で勝って、決勝に進みました。日本にとっては、1986年に初めて対戦して以来、26戦目、そして、26年目での 初勝利という歴史的なできごとでした。NHKでは、放送権を持つ民放から、午前3時から分岐された映像をもとに、直近のニュース番組、『おはよう日本』で、日本が勝ったというニュースをストレートに伝えるべく、国歌・君が代が会場内に流れる様子を伝える映像を使用し、アメリカ国歌は使用しませんでした。ご指摘のあった、夜7時のニュース(『ニュース7』)は、『おはよう日本』のニュースから12時間が経過しています。このため、限られた映像の中からではありますが、「見た目」や「視点」に変化を持たせることで、『おはよう日本』とは印象の違う放送をめざし、「世界ランキング1位と格上のアメリカに対し、澤を体調不良で欠く布陣の日本は、佐々木監督の絶妙な采配で勝った」
という視点でお伝えしました。
この過程で、『おはよう日本』との違いを際だたせるため、「世界ランキング1位のアメリカ」の国歌を初めて使用し、以後、日本がどう戦ったか、ディティールにこだわった制作となりました。NHKの1日の放送の中で、同じような作りのビデオを放送しますと、視聴者の皆さまに「手抜きをしている」という誤解を与えかねず、今回のような演出に至った以上の経緯をご理解いただければ幸いです。」

この返事に関して私は以下のように質問し直しました。
「試合の翌朝の「おはよう日本」では君が代が流れる場面を放送したと弁解しておられますが、それはおかしいのではありませんか。朝の七時に起きている日本人はいるでしょうが、出勤に忙しい人が多いです。それより夜に帰宅してゆっくりとニュース番組を見たい人が多いはずです。夜七時のニュースはそういう日本人には最適のはずです。
「NHKの1日の放送の中で、同じような作りのビデオを放送しますと、視聴者の皆様に『手抜きをしている』という誤解を与えかねず」というあなたの返事はなんですか!?
NHKは日本国民の血と汗で稼いだ収入の一部をいただいて放送している公共放送でしょう? いつでも24時間、「手抜きせず」日本国民のための放送を心掛けるべきではありませんか?」

 これに対するNHKの返事は以下のようでした。
「何度もお問い合わせていただきまして、誠に申し訳ございません。お問い合わせにつきましては、繰り返しのお返事となりますが、前回お答えしたとおりです。何卒、ご理解のほどお願い申し上げます。」

 私は思います。「全国民の基盤に立つ公共放送」である公共放送が、手抜きせずに日本国民のための放送を心掛けるべきという私の質問に具体的に答えないというのは何なのでしょうか。
簡単なことなのに「はいごもっともです、これからはそう心掛けたいと思います」とさえ答えられない回答者の背後に、回答を指示している歯だけがニヤニヤ光っている真っ黒いイメージの人物群がいるような気がするのは私だけでしょうか。
「ご理解のほどお願い」と言われて「はい分かりました」といえるでしょうか。
「日本国民の血と汗で稼いだ収入の一部」で運営されているはずのNHKが「一部の国民」に壟断されているとしたら、我々のような者が汗をかいて稼いだ収入から受信料を払うのだったら、どんな意味があるのでしょうか。
 或る方から聞いたことがあります。竹田恒泰氏のご両親は、NHKの君が代放送に直立しておられたそうです。これが本当の日本国民でしょう。臣民ではないですか!
臣民に仕えないNHKにどんな存在の意味があるのでしょうか?
こちらが問い合わせ先です。
http://www.nhk.or.jp/css/goiken/index.html
  (田中秀雄)



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(読者の声2)中国南車株機が自主開発・製造した都市間高速鉄道車両が8日、マレーシアのクアラルンプールで運行を開始したそうです。
自称「自主開発」らしいですが、輸出した高速列車は228両。バナナの叩き売り交渉だったのか、マレーシアがいくらで買ったか気になるところです。
いずれにせよマレーシアが高いリスクを背負ったのは間違いないとおもいますが、どうでしょう。
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economic_exchange/291901/
(naka)


(宮崎正弘のコメント)中国とマレーシアは「通貨スワップ」協定を結んでいますから、人民元で支払い、相対額のマレーシア・リンギッドで余剰分が、これから中国からマレーシアから輸入する代金となるスキームを利用したのかもしれません。或いは、中国の銀行の特融を受けている可能性も大です。



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(読者の声3)大震災から一年、台湾からの義捐金が突出して多かったことは日本と台湾の絆の強さをあらためて認識させる出来事でした。
日本政府は各国からの支援に対し感謝広告を現地の新聞に掲載しましたが、台湾では中国に配慮してか感謝広告はなし。それに反発した民間有志が寄付金を募り感謝広告を掲載したことは台湾メディアでも大きく取り上げられました。
http://www.youtube.com/watch?v=ya8wkUagSME

一方、韓国では火事場泥棒的に竹島の実効支配強化、という事実を報じる関西のテレビ、在日が多い土地柄だけにタブー扱いせず韓国に対しても容赦なく批判する。
義援金を撤回したばかりか、そのお金を竹島実行支配強化のために資金流用した、など東京のメディアではほとんど報じられません。
菅前首相についても、「子供にランドセルを背負わせるのは伊達直人、国民に借金を背負わせるのは菅直人」など大阪らしいツッコミが満載で、現在の橋下人気の底流に国政不信があることがうかがえます。
http://www.youtube.com/watch?v=Nnvnrf23h2Q&feature=related

韓国が政権末期の反日症候群に陥っているなか、台湾からの救援隊を二日も待機させ、中国・韓国からの救助隊を副大臣が出迎えた民主党政権、韓国主要紙に「最初に温かい手を差し伸べてくれた韓国国民の皆さんを日本国民は永遠に忘れない」との感謝広告を掲載しました。
セブンイレブンの国別義援金で一位はダントツで台湾の3億円、韓国はこれまたダントツの最下位で74万円。昨年十二月の日韓首脳会談での異様なまでの慰安婦問題提起はテレビ朝日ですら「恫喝」と報道したほどで、『3・1運動』の93周年記念式典での慰安婦問題発言も「国内向けの発言」と一蹴。テレビ朝日はどうかしたのか、と思えるほどまともになっています。
中国の南京事件カードが無効になりつつあるように韓国の慰安婦カードも賞味期限切れなのですね。
日本の若い世代は新聞を読まないと批判されることも多いですが、朝日新聞の洗脳から自由であることがこれからの日本を変えていくことになるのでしょう。こんな流れの中で台湾の交流協会(大使館)が「ありがとう、台湾」のテレビCMを制作、主要局で放映しました。
謝謝台湾 日本311大震災一周年 元氣篇 30S B
http://www.youtube.com/watch?v=_avc3XTaDDM
謝謝台湾 日本311大震災一周年 元氣篇 30S A
http://www.youtube.com/watch?v=yvYqVp5Vh2k
謝謝台湾 日本311大震災一周年 元氣篇 60S
http://www.youtube.com/watch?v=gzCUXwSwmfM
謝謝台湾 日本311大震災一周年 元氣篇 4M50S
http://www.youtube.com/watch?v=rB36inEK__s
交流協会がいい仕事をしている中、震災一周年の記念式典で台湾代表は二階席で献花もさせないという非道な仕打ち。野田首相は国会の答弁で陳謝したようですが、民主党政権が北京に配慮した結果なのでしょう。
ところで佐藤守氏のブログに中国次期主席がほぼ確定した習近平氏夫人の母と兄は台湾に住んでいて、習氏と馬氏は同郷の友だともいうから、これで台湾併合は決まりだとあきらめている台湾の友人もいる、とありました。本当なのでしょうか?
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)まず後節の噂ですが、まったくのガセです。習近平の母、斉心は、最大のブレーン、健在で、もちろん中国に住んでいます。兄は異母兄、父の前妻には三人の子供があり、男は一人のはずですが異母兄弟と習近平一家とは交流がないようです。
 父親の習仲勲は1963年に失脚し、1978年に復活、2002年死去です。つまり失脚の十五年間、一家は辛酸をなめた。
習仲勲と斉心(後妻、延安時代の同士)とのあいだには男女ふたりづつ、合計四人兄弟で、姉たちは今では香港で不動産開発、弟の習遠平も国際ビジネスに手を染めています。三人とも外国籍パスポートを持っているらしい。
台湾総統の馬英九は香港生まれ、習は陝西省生まれ。要素をつめあわせても、台湾併合へのシナリオは成り立ちにくいでしょう。ただし噂の出所は不明にせよ、習近平は北京に凱旋する前が上海書記、その前が浙江省書記、その前が福建省に十余年、福州市副書記、厦門書記などをつとめ、台湾企業の誘致に精力的、積極的でしたから、台湾ビジネスマンとの交流は深い。福建省は目の前が台湾ですから。

 さて先週、小生も台湾に四日ほど滞在しておりましたが、食堂で相席の台湾人、小生が日本人とわかると、まるで同胞のような情感で311一周年の見舞いを言われました。若い人は日本語が喋れませんが、親日感情は仕草でもわかります。台湾マスコミも国民党系列のメディアも「311特集」で、テレビも盛んに日本同様の番組でした。
台湾へ毎年、120万人もの日本人が訪れますが、誰もが中国大陸での体感と異なる経験、よい思い出を抱いて帰国するようです
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