月曜日, 4月 18, 2011


Evernoteでノートブックの検索をPDF化した書類のテキスト部分まで行えることを前回体験した。しかし、これは横文字の話で、また古い時期と言うかある種のPDF書類はテキスト検索まで到達しないことも分かった。基本的に縦書きの邦文は、検索しないようだ。

ただ、検索しない邦文も変なところでは一部検索している。『クレムリン秘密文書は語る』では、ヒロインの岡田嘉子と、愛人の杉本良吉だけは、検索したが、逃亡準備のために警察をだます口実としたアイヌ研究などという文字列は検索しなかった。岡田嘉子の場合も写真を検索したりと少々理解に苦しむ。

またウィン版EvernoteはMac版よりもヴァージョンは高いにも関わらず、PDFの表示が連続してスクロールせず、一ページづつ矢印をクリックしていかないとページが変化せず、Macに慣れるととてもまごつきもするし、いらつきもする。ウィン版しか知らなければ、そういう事は無い筈だが、なんだかお気の毒に感じる。20年来のMac愛好家として、最初からトータルな技術の先進性では絶対Macに分があるとした独断と偏見は今や見通しが当たっていた、と内心納得している。

頑張れ!!ゲイツ君というコラムも最近はネタ切れ状態らしく、更新も滞りがちである。それくらい、マイクロソフトの悪名はいまや聞けなくなった、ということか!?
http://www.asahi-net.or.jp/~fv6n-tnsk/gates/


ウィンでも横文字は検索する例として示したが、特殊な事情があるらしく、その文字列ないしは単文をテキストとしてカーソルで自由に選択しようとすると、そのページ全体が選択されてしまい、用をなさない。

これに対してMacでは、自由に文字列をカーソルで指定可能で、その部分をテキストとして別の文書に貼付けたり、ノートのタイトルとして使用可能となっている。本格的にEvernoteを使おうとすると、ウィンとMacの優劣は明らかだ。PDFのページも連続してスクロール表示されているし、以下の文例もEvernote中の2つの論文の書き出しを選んで、コピー&ペーストしたものだ。たったこれだけの文字数でも、間違えずに手で入力となると、大変な手間がかかるものだが、Macではその手間が要らない。




There are many examples of branching networks in nature
, such as tree crowns, river systems, arteries and lungs. These networks have often been described as being self-similar, or following scale-invariant branching rules, and this property has been used to derive several scaling laws.
この文章は2003年に出た生態学誌に載ったアメリカ人の手になる論文の書き出しである。次はそれより5年ほど前にやはりアメリカのtheoretical Biology誌に載った論文の書き出しで、こちらの著者もやはり二名だが、地質学とEarth and Space学科で物理•天体•数学関連学部の二人である。いわば生物学畑では決してない人たちであるが、論文の書き出しは驚くほど似ている。後から発表された論文は真似たといわれないために、表現を少しだけ変えただけといった案配である。
There are many examples of branching networks in biology. Examples include the structure of plants and trees as well as cardiovascular and bronchial systems. In many cases these networks are self-similar and exhibit fractal scaling. In this paper we introduce the Tokunaga taxonomy for the side branching of networks and his parameterization of self-similar side-branching.

実は、長瀞•寄居に行った帰りに、東日本の震災に義援金として二億円を寄付したとされる久米宏氏のラジオ番組を運転中に聞いていた。それまで、みのもんた氏のラジオがかかっていたが、中味がありきたりで、おまけにこの方が、高給取りでありながら、寄付をしたなどという噂さえないことにイラついたので、チューンを変えていたのだった。

そこで、たまたまゲストとしてカオス工学の専門家としてのある人を呼んで、久米氏が適当に話題の地ならしをし、後でその専門家に詳しく要点を解説してもらうスタイルであったが、つい聞き入った。男性に特有の前立腺ガンについて、久米氏がホルモン療法の難しさを述べ、適切な量は一人一人皆違うので用量を決めるのが大変難しいのですが、ゲストの先生が開発されたソフトにしたがって、必要な情報をインプットすると適切な用量が分かる、とうような話の内容で、まず、線形性、非線形性の違いはなんですか!?などと初歩的な質問をしていた。

その答えを聞いて、いや〜、ラジオ番組としてはかなり高度な内容なんですね〜などと笑いながら自画自賛していたが、カオス工学ではおよそ1970年代から、複雑な結果が、ごく簡単な規則からも生成されることが示されて以来盛んになった、ということを語っておられた。フラクタルという言葉こそ出ていないようであったが、ゲスト氏は、東大教授の相原一幸氏と紹介されて納得した。『カオス カオス理論の基礎と応用』(サイエンス社)の著者である。今やこの本は古本屋でも人気があるようで、在庫は常に変動します、などと出ていた。私は、同じ著者の『カオスの数理と技術』(放送大学教育振興会、1997)を手元に置いている。氏はラサール高校出身だそうである。

私はどちらの論文もHortonを引用しているし、私の先輩も京都大学でホートンにちなむ仕事で学位を得た方を存じあげているので、当然ながら関心はある。しかし、ホートンも地理学科系の人で水門学の専門家だったので馴染みが薄い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ホートンの法則



これはホートンの論文を所蔵している大学を検索し、そこの図書館に依頼してコピーを送ってもらった。コピー代と送料で、Evernoteのプレミアム会員権ほどの値段がした。
Vol.56, pp275-370. 40Figs.とある。93ページもスキャナ読みか、と思った。一冊90円で本をスキャンしてくれるサービスも登場しているという時代だが、自分で手間をかけてやれば、完全合法だという。

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