木曜日, 10月 29, 2009


2日半ほどかけて、昔の教科書を探し出した。二日目には、もう諦めかけていた。しかし、よく室内を見渡すと、積んだ本の後ろの段が一段高くなっている。ということは、その後ろの段の下には、まだスペースがあり、何か隠されていると思い出した。

それで、研究社の辞書や植物図鑑などをちょっと取り除くと、無造作に隅に横にして差し込んでありました。箱が潰れるので、スペースを詰めるつもりで無意識に差し込んだらしい。以来、何年かご無沙汰してすっかり忘れてしまっていた。

その本で、此の式は積分するとこうなります、と何種類かの場合分けで結果が出ている。一番簡単なものは、私でもそれほど苦労なく確認できたが、残りは手が出なかった。数式処理ソフトを使いながら、漸く解いたが、教科書の結果とは違っていた。

そのうちの最難関の式を示す。√/(a ^2+)という式の積分結果である。その指示された結果は具体的な数値を代入すると、結果は負の値となってしまううえに、虚数まで出てきてしまった。ある区間を積分して、その面積が負になる、などということはどういうことか!?積分結果が間違いかミスプリ以外にはないだろう。

ついでにすべてやっておこう。1/(a x^2+b)を積分すると、Mathematicaの結果と教科書の結果は一致しているが、Mapleでは、またしても微妙に結果が違う。

さらに、√/(a +)の結果も、Mathematicataと教科書とは一致するが、Mapleとはまたしても違う。arctan()の中で、分母、分子に√が入っているし、係数にも√が付いてしまっている。

『マセマティカなどの数式処理ソフトは不定積分もコマンド一つで実行してくれる。f(x)として簡単な関数を与えるとほとんど直ちに答えを出してくれる。パラメータが中に入っていてもうまく計算を実行してくれるが、そのパラメータが項の数にからんでくるとつぶれてしまう。たとえば、1/(x+a^2)^などは数式処理ソフトでは無理なようである。ただし漸化式まで人間様がやっておけば、Iの書き出しはお手のものである・・・。』などと書いてある本もある。(微積分学周遊、梶原毅、現代数学社、1992)。

さらに定積分の項目の末尾に、『当然ながら、数式処理ソフトは不定積分が実行できないものは無力である。近似計算については、シンプソンの公式などを用いて適当な言語でプログラムを組むほうが早いだろう。ただし、数少ないながら、いくつかの広義積分は登録されているようである。』などと書かれている。これはMathematicaのバージョンがまだ3.0あたりの時代での数学者からみた感想である。

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