火曜日, 9月 30, 2008

たまには時事ネタを拾ってみた。
すでに、サイパンでの身柄拘束時に雑誌などで報道されたが、
『米ロサンゼルス市警が81年のロス銃撃事件で元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)を殺人などの疑いで逮捕したことについて、FBI(米連邦捜査局)が23日夜、日本の警察庁に「新証拠を発見した」と正式に連絡してきたことが分かった。』などという当時の情報は、果たして真実なのか?
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/1981_killing_in_la/?1203894400


 『−−あなたは銃撃犯がだれか、知っているか
 「もし確実に知っていれば、捕まえる。知っているということと、逮捕できるということと、立件できるということには、違いがある。わたしなりの考えはあるが、これまでだれも逮捕されていない。だから、その問いには答えられないが、その人物が私の友人かといえば、それはノーだ。そして、”知っている”かどうかといえば、それはイエスだ」』
とジミー佐古田氏は応えている。
http://blogs.yahoo.co.jp/good7733jp/3356412.html
この話が、週間新潮に出た、殺人実行犯が、司法取引をして、みずからの免責のかわりに自白したという記事のニュースソースなのだろうか?

 『--ロス市警は30年近くもこの事件に関わってきた。この事件を解決したいという思いがあったのか
 「そうだ。この間、多くの事件が起きた。しかし、いうまでもなく、この事件は重要事件だ。三浦夫人は正義をもって報いられる資格がある。彼女の家族もそうだ。そして、もしわれわれが法律的に正義を実現することができるのであれば、それをやり遂げる必要がある」』

ロス市警会見詳報では、ジャクソン捜査官が三浦夫人は正義をもって報いられる資格があると発言している。
http://gikou89.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_3a41.html

この中で、
 『--新証拠はあったのか
 捜査官「新証拠についてはコメントしない。だれかが、新証拠はあるということを言っているという報道は目にした。しかし、必ずしもそれが正しいともいえない(正しいともいわないし、間違っているともいわない)。いま言えることは、逮捕状はシステムの中に一貫してあったということだ」』
と含みを残してはいる。

http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/ceeb3137ddd35554bb7f5d196f7d4697

には、三浦さんの拘束で、一事不再理が適用されるはずだ、と書かれている。ここ連日の報道で、逮捕状は殺人容疑では、日本国内で無罪が確定されているので無効だが、共謀罪については、日本国内では、アメリカの共謀罪とはかなり違う内容なので、有効となったようである。

サンケイ新聞では、夕刊がないので、取材に時間的余裕があったせいか、かなり突っ込んだ解説を翌日の朝刊で書いていたが、釈放から殺人罪までの選択肢があるかのような今後の展開に幅を持たせていた。

ロス市警は、失踪した白石千鶴子さん事件も未解決で、捜査中としたうえで、TBSの夕方のラジオニュースでも、荒川アナが今後の展開に非常に興味が持たれる、と発言されていた。
『<三浦和義容疑者>白石さん事件も再捜査 殺人容疑で米ロス当局 ロス疑惑 』
http://blogs.yahoo.co.jp/aibaiipo1970/17025910.html



アメリカでは、この件についてどう報じられていたのか、少し気になり、ロスアンジェルス・タイムズ紙を検索してみた。

http://www.latimes.com/news/local/la-me-japanese29feb29,0,2735467,full.story

については、見出しは以下のようであった。

『 Suspect's blog was the net that snared him
... Miura was convicted in the case, but the accomplice was not. The failure to convict
the accomplice led a Japanese appeals court to overturn Miura's murder conviction
in 1998. ... The reversal of Miura's murder conviction in Japan could have ended ...
California | February 29th, 2008』

今年の2月29日号とある。

そして記事には、ロス市警が2005年から、ネット上で三浦氏の行動予定を監視し始めたようなことを書いている。なぜ、2005年からなのか、これだけではわからない。

しかし、パソコン画面では、2ページになる最後の行に近い部分を読むと、こう書いてある。
私は何度も目をこすった。しかし、2004年にカリフォルニア州法では重大な刑法の改正があったようだ。だから、2005年から、三浦氏が米国に再び入国すれば、逮捕できて、加州の裁判所では、再び一事不再理を無効にして再審できる、とロス市警は判断したのではないか?

記事をよむ限りそう読めるのだが、英語は第一外国語といえども、それほど自信はないので、皆さんも以下の報道を読んでみて欲しい。

『・・・Adding to the intrigue, Miura was identified by Reiner as a suspect in another murder case, though he was never charged. In March 1984, authorities identified the corpse of woman found in a field five years earlier.

She was Chizuko Shiraishi, 34, who Miura reportedly acknowledged to Japanese reporters was once his business associate and lover.

The LAPD this week said that case remains unsolved.

The reversal of Miura's murder conviction in Japan could have ended the story. At one time, trying Miura again in the U.S. would have violated the constitutional ban on double jeopardy.
三浦の殺人事件の判決(無罪)の取り消しの可能性は終わっていたはずだった。三浦事件を再び米国で裁くことは 一事不再理の観点から、憲法違反となるからだ。


But in 2004, California lawmakers removed the double jeopardy protection for those put on trial overseas after Los Angeles County Sheriff's Deputy David March was shot and killed in 2002 by a foreign national who later fled to Mexico.

ところが2004年になって、カリフォルニア州の議員たちは、ロス市警のDavid March射殺事件により2002年にメキシコに逃げていたケースにちなみ、海外での判決に対してはこの憲法規定を取り外した。!!!???

That opened the door for Miura to be prosecuted in the United States, according to Los Angeles officials.
そのことで、三浦をロス市警がアメリカで起訴できる道をひらいた。

Japan, however, wouldn't extradite him to the U.S. because he had already faced a trial for the murder, LAPD officials said.
日本側は彼を、すでに裁判を受けているということで、引き渡そうとはしなかった。

Miura might never have had to face the charges again but for his blogging, police said.
三浦は再度告発されることは決してなかったはずだったが、ブログのみがそれを裏切った・・・。

"In the end, it was his own words that came back to bite him," said Jackson's partner, Det. Richard Bengston.

結局、最後に彼に噛みついたのは、彼自身のブログでの言葉だったのだ、とロス市警の射殺されたシェリフの同僚(Richard Bengston )が述べた・・・』

私は自分の英語力に自信を失いました。

アメリカ一般では、海外での裁判結果を蒸し返すことは憲法違反となるが、カリフォルニア州では、その規定は海外での裁判にかぎり2004年に取り消されている、と地元の新聞が報じているようだ。

バンシックレン裁判官は、サイパンでの逮捕が有効か無効かしか判断していない、ということのようだ。今日三浦氏とその弁護人らは、カリフォルニア移送に、積極的に同意してしまった・・・。

アメリカの有能で通っている弁護士が青ざめた、と日本の一部の新聞では書かれていたが、彼はそのことを熟知しているはずだ。真珠湾のようにアメリカ側からワナを仕掛けられているようだ。弁護団が、憲法違反でのみ争そうとした動機が見えるようだ。後は証拠裁判だけで、決定的な証拠はない、と思っているのかもしれない。


今後の展開がそうした観点からも、注目していかざるを得ない。自縄自縛という意味が報道記事のタイトルから読み取れるような気がするのだが、・・・・。

どうも、裏で日米両当局の捜査などでの連携も臭ってくるような、国内新聞の中途半端な報道を読むにつけ感じる。

そこで、三浦氏自身の代理人による臨時サイトにのった本人の心境告白はこちら。
http://www.0823.org/

また、日本の裁判で弁護を担当した弁護士の憤りはこちら。
http://d.hatena.ne.jp/ken-kataoka/20080324#1206354680


なんでも、有罪となった某女優の殴打事件も証拠がおかしい、などと言っている、という。
一事不再理以前に、日米検察当局が不利な証拠を隠したと言っているが、それを見ないで不利とか有利とか言っているのもおかしい気はするのだが。

さらに、過去の判決には、2004年の新州法が遡及しないとする判決例などの話題も以下に合った。
http://www.hou-nattoku.com/enq/39-itiji-fusairi.php
また、視点を変えた異色な『 三浦和義逮捕はアメリカによる日本の裁判所不信の現れ』などというのもある。

http://www.nikaidou.com/2008/02/post_1001.html

実は私も余計な心配をしたのだが、そのことについての、意見はこちら。
【断 呉智英】三浦逮捕と近代国家の亀裂
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080301/crm0803010357001-n1.htm

将来の可能性(釈放から殺人罪適用まで)の幅広い選択肢が取り沙汰される真の原因は、我々が、あちらの法律の解釈に不慣れなためかもしれない。カリフォルニア大学の博士課程を終了されたというある中央大学法学部教授は、
『「一事不再理の原則も、刑罰は法律が成立した時点以降の適応という原則も、すでに日本でこの事件の時効が成立している以上、関係なくなり、三浦容疑者サイドの主張は通らない。加えて日本にない共謀罪が逮捕理由になっておりその事実だけでも裁けるという。』
と話している、という。
http://www.j-cast.com/tv/2008/03/03017326.htm
これはかなり、水に流してしまってきた思考法に慣れ親しんできた日本人にとっては、衝撃的ではないか!?。


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なかのひと

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