月曜日, 5月 12, 2008


母の日に、それとは知らずに映画館へ入ったら、なんと「母べえ」を上映していた。
連休も出勤で、土日は久しぶりに休みをと思っていたら、忘れていた仕事が出てきて、雨も降るし、土日も会社で仕事。

午後には薄日も差して仕事も後は平日の調査だけとなったので、疲れてはいたが出かけた。頭の中がごちゃごちゃで、リバイバルのサウンドオブミュージックがまだ上映中とばかり思い込んで子供の頃見過ごしたつけをいまこそ払わんと出かけたので、看板など見もせずに入館してしまった。予告編で、どっちみち見ると決めていたので、抵抗無く受付を通過。

受付はあと30分で終わりますから、暫く待って最初からきちんと見るほうがベターだと行って、なかなか途中入室を許可しそうもなかったし、一足さきに入ったカップルはじゃあ、といって表の喫茶店に出て行ったが、私はねばり入れてもらった。初めてこの映画館に桶川方面から来たらしい。会員証に住所を書き込んでいて、受付が年賀状も届いたりしますから、と説明をうけている。私には初耳。スタンプが7個だかたまると一回無料で観覧できるらしい。私はあと一回でその身分に。予告編をみたら、また「いのちの食べ方」を再映するらしい。

私はチベット映画が二本も候補に上がっているほうが興味があったが、それに決まるかどうかはまだ先の話。

後半を先に見た。吉永小百合が、老婆で亡くなるシーンが最後に来るのだが、のどの弛みやしわといい、これが本物のあの吉永小百合かと驚いて、代役が出演かと思ったが、どうも本人らしい。まあ、顔のほうはほとんど目を閉じていてはっきりしないのだが、やはり面影は残っている、ぐらいの程度だった。

30分ほどまたされて、正式に始まった。新聞をためておいて読むとき、古いほうから読むよりも、新しいほうから読んだほうが分かりやすいというが、そんな感じがした。

それで、比較的いろいろと落ち着いて観察できたと思う。時代設定は昭和16年、17年。戦争前夜、開戦、シンガポール陥落あたりが中心で、後は終戦直後とヒロインの老衰死。

左翼すじの山田監督作品なので、仕方がないのかもしれないが、帝大の講師だか助手だかの経験の物書きの先生が、治安維持法違反で、著作物の発行停止をくらい、拘置所ぐらしで、やがて、衰弱死するという設定には違和感が。東大時代にドイツ語を教わったという経歴の持ち主が検事役で、あなたの書いた転向を示す文章、あれでは転向したとは認めがたい、と話しかける。日華事変をこたびの戦争、などと書くようでは駄目で、聖戦と書く様でなくては、などと話している。

死刑にはなったが、朝日新聞の尾崎は身分を偽り政府のブレーンとなって、日本がアメリカと戦争し早く負けるようにとゾルゲたちと画策していた時代である。そのあとに赤色革命を起こして、・・・ともくろんでいたらしいが、ソ連よりも先にアメリカに占領されたので、生きていたしても夢は潰えたはずである。近衛公は、気がついたら開戦論者ばかりだった、と言っている。スターリン、蒋介石も、日本がアメリカと戦争してもらわないわけにはいかない、といろいろと画策していた時だし、開戦を苦渋の決断とさせたハルノートはソ連のKGBの作成したものだという。治安維持法は悪法でも、無法よりはましだという夫の恩師にあたる先生のもとへ、差し入れ用の洋書を借りに、訪ねた妻、母べえは夫はそんなに悪くないと言い張って会話が成り立たない。差し入れ用の書物に書き込みがあると禁止されるとかで、一家総出で、ページを繰り、消しゴムで消して消して消しまくっていた。

うみゆかばや愛国行進曲などもバックに流れる。吉永小百合がデビューした映画の製作地、川口市で、ロケの大半が行われたらしい。町内会での世話人が、小百合に生活物資を融通する際に、ドイツと組んで英米をやっつけ、その後ドイツをたたき、世界制覇をなどという話を吹き込む。これは、出所がどうも東京裁判で世界制覇をたくらんだという『田中上奏文』という偽メモのことらしい。ルーズベルトもこれを読み、なんとしても日本を叩かなくては、と思い込んだとされる文書。(ルーズベルト秘録、サンケイ新聞社刊)

ところがこのメモには、昭和2年に書かれた会議の様子があって、大正11年に亡くなっている山縣有朋が出てきたりと、日本の事情を知らないものが書いた偽メモ。最近の研究ではコミンテルンがモスクワで作って世界中にばら撒いた、とされているらしい。日本政府は、南京事件と同様、否定しなかったので、真実として流布したが、東京裁判では証拠にすらならなかった。という。(渡部昇一、WILL6月号「石破防衛大臣の国賊行為を叱る」)

夫(父べえ)が拘束されたあと、教え子の書生役として、一人の青年が出入りし、一家を助け交流を深める。ドイツ語で歌う、菩提樹はよかったが、一番だけというのは惜しい。
ヌン ビィン イッヒ マンへ シュテュンデ エンテフェールト フォン イェ~ネン オールト・・・というところが好きなので。

実際には写らないが、軍用バイクの音とか、いろいろ細かく行き届いているようにも感じる部分が。実際には奄美大島だというが、江ノ島海岸での海水浴、上空を通過する軍用機の編隊を、ヒロインはふと上を向いて眺めるが、その目は不吉なもの見るかのような陰が。軍用機の塗装は、ジュラルミン丸出しの銀白色で、坂井三郎の乗ったゼロ戦も、当初はその色だった。迷彩色やグリーンなどの色は戦争後半かららしいが、そのへんもちゃんとしていたような気が。

出征軍人たちを見送る品川駅頭でのシーンもそれなりに見ごたえがあった。少々大げさな気もする憲兵らしき人物もいたが、場所は伊豆の大井川鉄道の駅を借りての撮影だったそうだ。ここでは静岡県人が多数出演、援助をされたとか。
懐かしいものを見るような気が。戦後生まれだが、戦前の気分がまわりに濃厚に残っていた時代に生まれたし、校長や教師たちはみな戦前の教育を受けた方ばかりの中で育ったのだった。

書生の山崎青年も、帝大生らしく見えたし、セットも子供の頃の家並みとダブル。当時角帽をかぶった東大生が近所にいて、いつも折りに触れて眺めていた所作とも共通の雰囲気がしないでもない。他大学生たちもいたし、彼らの動きとともに、言葉遣いが今でも耳にこだましている。あの当時の大学生といえば、子供の目にも他とは一味ちがう何かを感じていたと記憶している。


なかのひと


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4 件のコメント:

sho さんのコメント...

こんばんは~♪

ブログ記事には関係ないんですが、実は先月半ばから禁煙を開始し、約1ヵ月が経過しました(^^ゞ

とはいっても、酒宴ではついついもらいタバコありといったやや中途半端な状態。しかし酒宴以外では全く吸わないで耐えられているので、このまま抜け出せるかもしれないと手応えを感じてきています♪
昨晩も酒宴があったんですが、たまたまタバコを吸う人がいなかったため、難なく禁煙状態で酒宴もクリアでき、自信を深めた次第です。

しかしまだまだ1ヵ月、油断は禁物ですよね。普段はそれほど欲しくならなくなってきましたが、例えばバイクに乗ってちょっと休憩したときなど、かつての一服の記憶が残酷に蘇ってきますね~。それでも何とか耐えられてますから立派なもんでしょうか(^^;

手前勝手なコメントですみませんm(__)m
ふと気がつくと禁煙1ヵ月という節目だったので、つい嬉しくなってカキコミしてしまいました!

nature さんのコメント...

こんばんわ、遅くなりまして、コメントありがとうございます。

私も身近にヘビースモーカーが複数おり、互いに相手が禁煙すれば止めてもいい、なんて言いながら、その気配は全くなし。

時折、気分が悪くなり窓を開けたり抵抗しますが、あまり効果なく慣れるしかない状態で何年も経過しました。止めてしまえば、自然にまた再開しようという気にはならないものです。

食事が美味く感じるようになるとも言われていますが、どうでしょうか?

「バカの壁」の養老博士、全世界的な禁煙運動は反捕鯨と同じく、車の害をカムフラージュするための策動で、かならず仕掛人がいるはずだという、意見もあったりしてそうクリアーカッとに単純ではない、という説も。

ところで、またミラクルパワー復活しました。いままで、単独でのテストはしていないので、例のものをはずして走り出しました。

これは、単純で場所とらずでシンプルで、いいとおもっています。アースをリファインさせたので、ドノーマルでもいいのかもしれません。メーカーがテストを繰り返して設定した規定というのはバカにはできませんし、これはこれで単純にはいかない深い複雑な背景がありそうです。アースをいろいろいじってみて感じています。

sho さんのコメント...

こんばんは~♪

今日もまた奥多摩湖に足を伸ばしましたが、湖畔付近で予想外の雨に襲われ参りました(^^;

燃費は今回もリッター19㎞台をキープしました。乗ればのるほど、従前との明らかな違いを体感しています。

大兄もミラクルパワー復活されたんですね。こちらのを一旦はずして試していただいてもよかったんですが・・・。はずしたらまた落ちるのかどうか興味もあったんですが、まぁしかしせっかく調子がいいのに敢えてはずすこともないでしょうかねぇ(^^ゞ

禁煙の件は、実は私も会社の人と同時に始めました。相手が上役なので、勝手に諦めるわけにもいかずプレッシャーがかなり効きましたね。一人でやるよりすごく効果的な方法のように思います。人間、克己=「己に克つ」ことが如何に難しいかを痛感するエピソードでもありますね。

禁煙の動機は、健康問題や家族からの勧めももちろんあったのですが、吸う場所がドンドン狭められていっていることや、自動販売機で買うには「タスポ」という成人認証カードを入手する必要があるなど、喫煙を続けていくための手続きというか手間が馬鹿らしくなってきたというのが実は大きいですね。

食事が美味しくなったかどうか、これについてはあまり変化を感じませんね。いつもの鈍感力!
禁煙したら体重が増えるという話を聞いていましたが、先日体重計に乗ったらむしろ減っていたので意外でした。「ロデオボーイ」という馬に跨るような痩せるための機械があるらしいのですが、カミサンいわく「大きなバイクに毎週毎週跨ってたらロデオボーイに乗ってるようなもの。そりゃ痩せるでしょ!」と。まぁ確かにそうかな~と納得してしまいました(^^ゞ

nature さんのコメント...

おはようございます。禁煙コメント、ありがとうございます。

会社には、さっそくtaspoの申し込み書が何通も貯めておいてあります。

私の友人も禁煙を開始したと一年ほど前便りがありましたが、その後音沙汰なし。こちらからも聞きづらいので確認取れていません。

周りは、1日たりとも節煙すらできない状態の中毒患者群で、慣れたとはいえ臭い日とそうでもない日とがあって、不思議です。こちらの体調のせいかも、と思ったりもします。

ミラクルパワーでは匂いは皆無でした。!!しかし、にんじん君では少し
匂いが戻ってきています。これは体調ではありません。にんじん君とミラクルパワーとは両立しえないことを確認。他のバイクや車ではちがうかも知れません。

それにしても、にんじん君にもどした直後はいつも好燃費なのに、連続使用するとなぜか必ず今のところそれが低下します。エンジンの調子は良く、高速ではいっそう静かでいいのですが、・・・。それで、いつも慣らしということばが口をついて出てくるんです。

ずっと使用しだすと交差点でのプッツンなどはなくなり、滑らかになっていきますが、それでついついスピードをだしてしまうのがいけないのか?エンジンはアクセルを開けて走るのが理ではありますが、・・・