月曜日, 9月 10, 2007



最近、事情があってできるだけ本屋さんで本を買わないようにしているが、この一冊はつい中身を見て購入してしまった。

軍歌のCDはいろいろあるようだが、解説が今一だったり、入手しずらかったり、不満もある。時代背景もあるし、靖国参拝もあいまいのまま。

それで、CDつきで解説が豊富で、文章もよく練れていると思い、期待をもって購入してしまった。買って一週間ほどになるが、昨晩見直していたら、表紙には12曲収録とあるのに、曲のリストを開いてみたら、何度数えても11曲しか入っていない。裏表紙についているリストも結局11曲だけであり、「勇敢なる水兵」の曲が入っていなかったが、歌詞や解説などはしっかりはいっている。

当時の原音再現にこだわったとあるように、若干ノイズが目立つがリメイクでない当時の新鮮さが売りで、最初に収録されている「抜刀隊」などの歌詞を聞くのも初めてで、明治か大正かしらないが、戦前の歌声の奇妙な現代に通じる一致点を見出して感慨にふけった。少しも古くないのである。

歌の内容は、西南の役で、警視庁の巡査たちも、サーベルで西郷軍の士族たちと田原坂で死闘を繰り広げた故実を題材に、新体詩運動の谷田部良吉、井上哲次郎らと並んで知られる東大教授の外山正一氏が作詞し、曲が付く前から、全国で思い思いの節で歌われていた、というもの。

数年後、おやとい外国人教師が、作曲し、以後連綿として現代まで受け継がれてきている。

記録フィルムに残る、あの学徒出陣の神宮外苑での分列行進時に、演奏されていた必修曲目のひとつ。

私には、曲としては耳に親しんできたが、歌詞はやはり始めてみたような気がするが、日本的精神をよく表したものと感じる。若い人たちにどのように映るのか、人様々だとは思うものの。

初めて識った歌詞とは!?



吾は官軍吾が敵は〜
天地容れざる朝敵ぞ〜
敵の大将たるものは〜
古今無双の英雄で〜
これにしたがうつわものは〜
共に標悍(ひょうかん)決死の士
鬼神に恥じぬ勇あるも
天の許さぬ反逆を
起こせし者は昔より
栄しためしあらざるぞ〜

(繰り返し)
敵の滅ぶるそれまでは
進めや進め諸共に
玉散る剣抜きつれて
死する覚悟で進むべし〜

http://ja.wikipedia.org/wiki/外山正一

には、『これは外山が米国留学時に親しんだ南北戦争の軍歌の形を踏襲している。のち、陸軍軍楽隊教官のフランス人シャルル・ルルーによって曲が作られ、日本で最初の軍歌として爆発的にヒットした。この曲は「扶桑歌」「分列行進曲」とも呼ばれ、旧陸軍から現在の自衛隊にまで受け継がれている名曲である。』
などと解説されている。(繰り返しの部分を指す)。

「ラスト・サムライ」、西郷隆盛の死からうまれた近代以前のサムライ魂を歌った日本初の流行軍歌と紹介され、後に陸軍を代表する軍歌となったのだ。近代の日本陸軍とその軍歌は、前近代への敬意の中から立ち上がったのである、と結んで紹介されている。歌詞は6番まである。

実は外山正一は、徳川家康がまだ、弱小戦国大名だった頃から仕えてた旗本の名門の家系の出だった。維新以降、意味を失った刀、没落した武士階級、しかし田原坂で、刀は華々しく復活している。外山にとって、自分を励ます意味も込めた歌ではなかったか!?と指摘している。

演奏は、陸軍外山学校軍楽隊とある。指揮は大沼哲氏。iTunesには、こうした情報は表示されず、Windouws Media Player形式にしてはじめて判明。なんか不満、アップルに対して。


皇国(みくに)の風(ふう)とつわものは
維新このかた廃れたる
日本刀(やまとがたな)の今更に (にっぽんとうの、と歌っているが!)
また世にいずる身のほまれ
敵も味方も諸共に
刃の下に死すべきに
大和魂あるものの
死すべきときは今なるぞ
人に遅れて恥じかくな〜

繰り返し


前を望めば剣なり
右も左もみな剣
剣の山に登るのは
未来のことと聞きつるに
この世において目のあたり
剣の山に登るのは
我が身のなせる罪業を
滅ぼすために非ずして
賊を征伐するがため
剣のやまも何のその

繰り返し







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