日曜日, 8月 12, 2007

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『先日、秩父の羊山公園に芝桜を見に行ってきました♪ものすごく綺麗でした〜。
陽気もよかったので帰りに寄ってきました。天然かき氷屋さん!!
主人は宇治金時、わたしは野いちごを頼みました。特に野いちごは甘ずっぽさがなんとも言えず…♪
さすが天然もの!氷がやわらかくて優しく溶けていきました〜。氷の味を直に楽しみたいならあずきがいいみたい!
あとは、桜あずき(今だけかな?)・キャラメル・こだわりメロン、だったかな〜。
旅番なんかで何回か見たことあるので、マイナー店じゃないかな?
でもとっても美味しかったのでカキコしちゃいました。』

などと最近ラジオでも取り上げられたという、長瀞の140号沿いにある阿佐美冷蔵さんへ行ってきました。

いつも何でここだけ混んでいるんだろうと思っていた場所でしたが、最近猛暑でかき氷が恋しくなり、店をさがしたものの、あの氷とかいた店が意外にすくないことに気付いた。それで、仲間に相談したら、そりゃ、長瀞あたりにいけば美味い店があるだろうが、とサジェストされたが名前も場所も見当がつかなかった。

この冬、暖冬で長瀞の天然氷つくりが危機だと、テレビでは放映していたので、冬の時期からしらされていた。最近テレビで、天然氷のかき氷は、氷中に空気が多く含まれやさしいので、頭がキーン問いたくならない氷なのです、などと放映されて、ますます天然氷のかき氷が食べたくなっていた。

それで、最近とくに猛暑になってきてたまたまラジオでも取り上げられていた日に、秩父の天然氷店のことをふと知人に聞いてみたら、阿佐美冷蔵さんを紹介された。ラジオを聞いたので、質問が来たと思ったそうだが、自然の欲求にしたがったまでで、アイスコーヒーにもそろそろ飽きが来出していた。やっと、この付近でも梨が売り出されたので、そちらも賞味している。




たまたま秩父に用があったので、休みに入った会社で仕事を済ませて、昼過ぎに秩父着。来るときから、号列ができていた。そして、なぜか、いつもの駐車場が二輪専用になっていることに気付いた。うれしいじゃありませんか。仕事をすませ、13時44分に長瀞本店の阿佐美冷蔵さんへ到着。一層行列が延びているような気が、・・・。

バイクを止めて行列している中庭へ降りてみて、驚いた。いつも短い行列と思えたのは、ほんの一部で、駐車場とのメインの中庭に客がとぐろをまくようにびっしり。瞬間一時間以上の行列待ちを覚悟したが、すぐ最後尾にならんだ。簡易トイレも二基設置されている。手洗いの水道で、ハンカチをしぼり頭にかけている人も。



一時間ほど待つと、注文予約をとりに来た。まだ、二十分くらい待つと言う。途中で立ち去った客は、私の前の若いカップル一組だけのようで、後からゾクゾクと行列がつづく。車椅子のカップルらしき客も最後尾にならんだ。前は家族連れ、後には若い恋人同士らしく、適当にそれぞれの方たちと情報交換など行った。
細かい時間などは、後のお兄さんが何分経過などと相手に喋っていたので、覚えていたのだった。

入り口近くまでくると、中の様子が初めて窺えた。ここは日陰で少し涼しい。後のカップルに阿佐美冷蔵のパンフレットを、私はもう何度も見たので渡した。もう一軒、長瀞駅近くの宝登山入り口ちかくにある、というと前後の人たちもビックリしていた。

この本店も派手な看板などなく、しもた屋風で、しかも生け垣の奥にあるので、20年近く秩父へ通っていながら、最近まで、気付かずに過ごしてしまった。最近は宣伝でのおかげで、ちょっとまえの統計で、6000人ぐらいだったのふぁ、昨年は2万人来た、などと書いてあった。今年は過去最高を記録するのでは!?



ようやく、家族連れの後、こちらは一人なので14番さ〜ん、ことらへどうぞと案内された。入り口から覗いた店内はごく一部で、家屋内にも多くの客がおり、家の周りの庭はすべて屋外喫茶店風。ずんずん案内されるので、店内かなとおもっていたら、裏庭へ。並んでいた待ち客たちに一番近い場所だった。後にいたカップルは薄暗い店内に二人で向き合っていたのが、個々からも見えた。

椅子に案内され、さらに数分待つと、やってきました。見事な天然氷のかき氷が。白桃ふがお奨めらしいとは聞いていたので、白桃と標準のイチゴを頼んでおいた。目の前の庭木は、ハナミズキ。小枝に針金で蚊取り線香が点いている。後で気付いたが、私が座った椅子の近くのサツキにもついていた。どうりで匂いが強めだと思った。

みな複数できて、幸せそうな表情をしている。男同士でも、スプーンでお互いの品の試食などもしている。安らぎの空間だ。単独の客は、後もう一人だった、この空間は。

近くを秩父鉄道が走っていて、SLの汽笛がこだまする。かなり線路がちかいらしく、汽笛のドップラー効果がきいて、旅情を感じた。本当にしあわせそうな顔をしたカップルもいて、ふたりの会話を聞いているのもほほ笑ましい。

白桃からいただいたが、予想以上に美味しく、ビックリした。これで600円ですが、並びがいがあった。
氷に気泡が多いせいか、氷自体に蜜がしみ込んでいる感じで、口で柔らかく解けて、解けて行く間中おいしい。水はセルフでおいてあったが、なぜ水があるかやっと理解できた。ときどき、水で口をゆすぐくらい
甘いのである。さらにお好みで、白磁の容器にはいった練乳もある。イチゴにはかけてみたが、二杯目と言うせいもあり、あの舌や唇が赤くそまるイチゴ味ではなく、ジャム風な味で、甘味も弱かった。こちらは
500円。どちらも、漆塗りの木製容器に、これまた漆塗りの木製スプーン。これが、天然氷のかき氷には
絶妙のマッチング。平安の雅を感じたしだい。ミゾレ状になっていき、最後はみな容器を口にあてて吸っていて、入り口からのぞいたとき、違和感があったが。漆塗りの容器なので、みそ汁でも吸っているように見えたので。



帰り道、樋口の駅あたりを走っていると、道路右下をSLが平行してはしり、煙が足下から湧いてきた。そうだ、普段は電車だが、土日はSLが走るんだった、と以前テレビで紹介していたのを思い出した。しかし、わざとゆっくり走っているらしく、車よりも遅い。それで、この先のカーブで待ち伏せしてみようと思い立ち、じゃまされないばしょに止めて、携帯で撮影した。思ったより早くシャッターがおりてしまい、遠すぎる写真となった。脇を通りすぎるSLから熱排水をコップ半分くらい引っかけられたが、一瞬熱っと思ったが、やけどするほどではなかった。

秩父郡長瀞町。かっては野上町と言っていたそうだが、昭和47年に町名変更したのだそうだ。小学校の友達で、よく長瀞のおばさんちへ遊びに行ってきた、ときたとか遊びに行くとかとく聞いたので、最初から長瀞町だと思っていたのは、間違いなんですね。



ところで、この長瀞町、多くの峠にかこまれているのだそうだ。荒川左岸(西側)を見てみると、南から順に、奈良沢峠、野上峠、唐沢峠、出牛(じゅうし)峠、ぐみの木峠、糠掃峠、不動峠、間瀬峠、榎峠、大月峠、筑坂峠、・・一方の右岸には南から熊掛峠、賽の神峠、仙元峠、葉原峠、植平峠、金尾峠。標高500メートルどまりで、麓からあるけば30分くらいで頂上へ通じるので、昔はどれも身近な存在だった、という。(「秩父の峠」大久根茂、さきたま双書、1988)

賽の神峠(さいじんとうげ)、仙元峠、葉原峠の三つは秩父事件のときの発火点にあたるらしい。

「秩父郡風布村、金尾村の困民等、飛び道具を携へ、小鹿野地方へ暴発するの景況なり、・・・」

出牛峠は、秩父大宮と本庄を結ぶほぼ中間にあり、秩父の生糸を最短で、当時高崎まで開通していた鉄道を利用して輸出するために、馬車が通れるシルクロードを作ることになったが、工賃の7割が地元負担となり、
秩父事件の遠因となったという。

出牛峠は利用されている間は、遊廓もあったりして賑わったそうだが、10年もしない(明治28年)うちに、熊谷、寄居、秩父という鉄道ルートが開通し、出牛はさびれてしまった、という。国道140号はこのあたりが難所で、鉄道よりもずっとおそく開通したのだという。

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