日曜日, 5月 27, 2007



数式処理ソフトで、学生時代の積分に挑戦してみた。学者が論文を書くソフト
と言われる Mathematicaで実行してみるとこのような結果になり、Maple9.5での結果と異なる。教科書に載っている積分結果は、数値代入してみると、ある時間内の生体の呼吸量を示す式でマイナスにはなりえないのに、負の値しか出ないからあきらかに間違いだ。

しかし、結果がいきなり出てしまうので、なぜそうなるかはわからない。Mapleとも違うし、いくら、このソフトで、過去の積分公式教科書の間違い(プリントミスではない)を200箇所ほど指摘したという実績があるにしろ、釈然としないのは、自分だけではないだろう。

東大で1000台以上入ったというiMacにも、標準でMathematicaの5.xあたりが入っているのが、ドックのアイコンでわかった。Mapleも入っていたかどうかはわからない。

そこで、積分自体の数式は、高度な関数とはいいがたい範疇で、どうみても19世紀以前のジャンルに入る
四則演算に限定されているようにも感じる。




そこで、Theoristの1.5という日本語版として一時流通した数式処理ソフトで部分的に数式の変形を試みた。

いわばMac専用というか、GUI環境が当時はMacしかなかったからというか、数式を自分で変形処理させながら結果を得るという面倒くさいといえば面倒くさいソフトだが、数学の初歩ではこの面倒くささで敬遠していては、その先がない。しかも、こういう変形では、手計算では計算ミスを犯しがちで、どこで間違ったか分からず、結果が思わしくないとき、ミスのせいなのか、攻め方が悪いためか判断がつかず、途方に暮れてしまう、ということがほとんどだろう。

Mathematicaと一時期数式処理ソフトとして評判をとり、値段も安く(5万前後)Mathematicaより使いやすいと評判のソフトとして、Mac雑誌にはよく宣伝が出ていた。フロッピー一枚で動く軽いソフトで、数値演算用コプロの有無で、プログラムがそれぞれ別れていて、別々のフロッピーに入っていた。



北大の先生も、九大の先生もこのソフトを褒めておられた。それぞれ、著作の中で紹介されていた。両方買ったのだが、今は九大の先生のものしか手元にのこっていない。
「MathematicaとTheoristでの大学院入試への挑戦」梶原讓治著、現代数学社、1994年。この本は、今でも時折本屋さんの書棚に一冊ぐらい置いてあるのを見かけることがある。しかし、Theoristは残念ながら、販売されてはいない。この会社Presciense社は、数式入力システムとしてたしかMapleグループに買収されたような記憶があるが、さだかではない。

その梶原先生の講義の末尾には、毎回といっていいほど、Macや数式処理ソフトの優秀性を褒め称えておられる文章がのっていた。


「Theorist教授の講義は丁寧、東大生に追加説明の要はなかろうが拙著「独修微分積分学」(現代数学社)の14章、微分方程式の記号的解法を読まれれば十分であろう。それよりも高級官僚として地球にやさしく市民生活の環境を整えようと欲するか、大学教員としての進路を選ばれる東大生諸君は拙シリーズをママに見せて、8MB以上のRAMとコプロセッサー、カラーモニターを備えた1級のゲーム機、マックを買ってもらってください。日米摩擦が多少は緩和します。・・・」などと書かれていた。


それで、受験参考書で覚えたテクニックで数式を変形していき、なんとか、Mathematicaとほぼ同じ結果にたどりついた。Mapleとは異なっていた。



いちおうMathematicaの結果を正しいとしてTheorestで数値を代入して検算してみると、どうやら結果は正しいように思われる。Mapleの結果もマイナスにこそならないけれど、値が半分くらいの数値を出力した。

そんなわけで、あと30万ほど出して今、数式処理システムを買うのなら、私は迷わずMathematicaを買うだろうが、Theoristも手放せない。Macの旧システム専用だが、Macを所有していた人なら、ROMをWinシステムから吸い出して、Basilisikiiというフリーソフトで立派に動かせるから安心で、その意味では、ウィンドウズシステムも永遠に変化なく動くようになっていてもらいたい、と虫の好すぎる期待を抱いている。もっとも、ウィンドウズにはVPCという旧型ウィンドウズOS環境を実現するソフトがあって、Vistaになっても安心だが、これももとはといえばMac用で、ウィンドズを動かすためのソフトとしてスタートして発展したものだ。当時はもうひとつ、ソフトウィンドウズという同様のソフトがあってそちらが優位と思われたが、速度的に問題があったものの、Win意外のOSもインストール可と、Winのいろいろなバージョンもインストールできるということで、他を駆逐した。そして、マイクロソフトに買収された。

なんでも、XBoxをパワーPCにしたために、旧ソフトが動かないと困る、ということで、自社製品としてXBoxに組み込み、新ソフトも旧ソフトも同じようにゲームを楽しめるようにしたのだという。

Mac用にもあったのだが、インテル化したために開発は中止、かわらにパラレルズシステムなどが出てきた。私の少ない経験では、VPCのほうが出来がよかったように思うが、ある程度開発の歴史が備わらないと、向上しないのかもしれない。しかし、Mathematicaは5.xなのに、Mapleは11にもなってどっちがいいかは、判断が分かれるところだろう。

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